被曝国

 雨、気温は21度。台風が思いのほか北海道近くを通り過ぎた前線を刺激し、雨雲を呼び寄せている。そのため昨日の夜から断続的に雨が降っている。

 昨日は、長崎で平和祈念式典が行われた。長崎が原爆投下された昭和20年から既に73年目を迎える。昭和は遠くなり、平成も終わろうとしている。それだけ時が過ぎたのにもかかわらず、依然として世界は核の脅威にさらされている。

 今までの核保有国は、決まっていたがそれが静かに保有国を増やし続けている。核兵器の製造に掛かる技術力の敷居が低くなってきた証拠である。この先、中東、アフリカ、中央アメリカ、南米と紛争地域にある国にそういった核保有国が確実に増えていくことを懸念する。

 その拡大の一つの誘因を北朝鮮が引き起こしているということである。アメリカは、世界への核拡大を抑えきれないものとして達観しているのかもしれない。自分たちが幾ら防ごうとしても抑えきれないものと考えているのなら今の温い対応は良くわかる。

 或いは、北朝鮮は何時でも抑えられると踏んでいるかもしれないが、あの国は自分たちが生き残るためには何でもする国である。フェアな戦い方を期待しても無理なことでもしかすると核弾頭の横流しを行う、或いは行っている可能性もある。

 いくら広島、長崎で核廃絶を唱えても、世界の多くの国に響くことは無い。現実は、多くの国がその核兵器を容認しているからである。

 今回、初めて国連事務総長が核軍縮を訴えたが、その声明は本当に世界の人に届いただろうか?日本だけのニュースになっているのではないかと思うと一層むなしさを感じずにはいられない。

 被曝国日本、世界の人々は、日本が最初に原爆の被害にあったことを知っていても、他人事にしか感じていないのは明らかである。