大口病院事件判決

 雨、気温は10度.昨日の日中から降り始めた雨は、時折強まりながら今も地面を濡らしている.

mainichi.jp

 この事件立件された患者は3人だが、被告の最初の証言では20人ほどが犠牲になった可能性があるとされている.

 心神喪失状態との理由付けもあったが、これ程の人の命を簡単に奪ったことから当然判決は極刑になるものと見られていた.

 この裁判は裁判員制度で行われた.裁判員はどのような意識で判決を下したのか知りたい部分もあるが、それはできないだろう.

bunshun.jp

 そもそも大口病院は、療養型の病院のようで世間一般的には、既に濃厚な治療は終えた患者を生きながらえる最後の病院であった.こういった病院は、その性格上殆どの患者がベットで寝たきりで過ごし、リハビリ等も積極的に行われずに最後まで過ごすことになる.いうなれば最後を迎えるために過ごす病院である.極端な話、病院と名がついているが病気を治療する役割を果たしているわけではない.その辺りに看護師としてのプライドの低下も発生していたのではないかと想像される.

 

  介護施設での介護士の暴力によって死亡する事件やこういった病院で殺される事件のニュースを見るたびにこういった状態に自分が陥った時にどう扱われるのか凄く気になる.これは、最後の死生観にも通じるところがある.人は最後の死に際を虐められて死ぬことはできるだけ避けたいと思うが、そう望んでも望めない人生が待っているかもしれないと思うと憂鬱になる.

 この事件は、今生きている一人一人の人間に突き刺さる事件であるが、実際のところ自分はそうでありたくないと考えながら黙り込む類の事件だと思う.