Qシリーズ終了

 晴れ、気温はマイナス4度.薄っすらと雪が積もりその下に隠れた氷が見えなくなっているため変なところに足を置くと滑って転びそうになる.今日あたり滑って転んでけがをする人が増えてきそう.

 

 

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 本当は、早い時間帯からWOWOWオンデマンドで見る予定だったが、目を覚ますと時計は午前6時を回っていた.ネットにつないで確認すると渋野選手が20位タイでホールアウトし、古江選手は7位でホールアウトしていて、2人とも来年の優先出場権は得ることが出来ていた.

 このアメリカの来季出場を掛けた権利を争うトーナメントは、8日間という長丁場で争う賞金の掛った試合でもある.最低45位以内に入れば来季の出場権を得られるのだが、上位20位以内に入ると出られる試合が増えるという形式である.

 それで、昨日大崩れした渋野選手は、今日は、29位からのスタートとなり20位以内に入るには厳しい最終日となってしまった.そして、古江選手は終始安定したゴルフを続けており20位以内は確実であり、これは優勝しなくともそれ程先につながるわけではないのでこのままプレーを続ければ安心して来季の予選は通過できる状況であった.

 最終日は見ていないのであれだが、渋野選手は4日間というこれからのトーナメントに向けての課題は、寄せとパットと安定性ということになる.アメリカ国内のゴルフ場の芝は、日本にほとんどないバミューダ、ティフトンなどの芝で、大会を行うような整備された日本のゴルフ場のような絨毯の上のような芝生ではないのが難しいだろう.このトーナメントでもラフからのショットで正確性を欠き、寄せでも距離感に苦労していた.今季あれだけ試合に出てもアメリカのコースに対応できているとは言えない.また、ドライバーの飛距離についても優勝を目指すならもう一つ距離を稼ぐ必要があり、スイング改造からの試行錯誤から苦労していたが、更に次のステップに向かう必要があるだろう.

 古江選手は、このトーナメントを通じてショットの距離感、方向性は及第点をとれる内容だった.あの正確性は、来季アメリカのトーナメントに出場しても安定して上位に入れるものを持っている.彼女の強みは大崩れしにくい点である.彼女に必要なのは、ドライバーの飛距離に尽きるだろう.何故なら、彼女のように安定したショットを随時出せる選手は大勢存在する.そこで違いが出るのはドライバーの飛距離である.同じくらいの身長の畑岡選手が何度も優勝できているのはショットの正確性の他にあの身長で繰り出すドライバーの飛距離が上位の選手と比較して劣らない点である.その辺りをどう工夫するのか興味がある.

 来季の両選手の挑戦であるが、渋野選手はアメリカにどっぷりと漬かっていきそうな行きそうなインタビューの答えであった.古江選手の方は、日本のスポンサーの関係と賞金女王にならなかったため長期のシード権を得られていないことから軸足は日本ということになりそうである.その点がちょっと苦しい日程となりそうであるが、今回のトーナメントの有効期間が1年であるため出られる試合を増やして上位の成績を収めながら来季の出場権を獲得するという結構難しいチャレンジが必要である.

 日本の女子選手も徐々に国内大会のみではない選手が増えてきており、畑岡選手、笹生選手というようにアメリカでも確実に上位に行ける選手がすでにおり、今回出場した渋野選手、古江選手が加わると毎回日本人選手が必ず上位にいる試合が増えるだろう.

 今後、女子プロ選手は今回の結果を受け自分もアメリカの試合に出るようにしたいと思う選手は増えていくだろう.そうなると国内のトーナメントが寂しくなると思われるかもしれないが、若い世代の底上げはもの凄く、稲見選手のように若くして賞金女王となる選手も今後どんどん出てきそうである.

 最後にあれだが、日本国内の男子プロ選手の活躍については本当に残念である.今回のJTカップの優勝者が谷原選手であったことを考えると若手の底上げが上手く働いていない感じがする.日本を代表する選手に松山選手という存在がおり、それに続く選手がいないというのが現状である.今回賞金王に肉薄した金谷選手が来季アメリカに参戦するようだが、上位に常時顔を出すような選手には今のところ成れないだろう.日本の男子プロに欠けているのは、自分が世界の頂点に立ってやろうとする野心だろう.