ウクライナと日本

 曇り、気温は10度.台風一過で今日の日中は快晴になるようだ.今日の朝は急激に気温が下がり秋に相応しい.こういった寒い暑いを繰り返し徐々に冬に向かう.四季の中では一番過ごしやすい季節である.

 

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 ソ連崩壊のあと、それぞれの共和国が独立して国家を作った.元々ウクライナは独立国家だったのが紆余曲折がありソビエトの一部となったあとウクライナ人だけの地域ではなくソ連からの移住者も増え厳密にウクライナ人だけの地域ではなくなった.今回のウクライナ戦争の一つの理由に、ソ連からの移住者の人権を守るというのがあったがそれがソ連の一員とソ連としての歴史がそういう事情を生んだ.ソ連が崩壊した1991年ウクライナ共和国が独立した.

 

 独立後のウクライナは貧しく十分な経済発展が遂げられなくウクライナ国家にいるより隣のロシアの方が暮らしが良いと考える人も増え、その思惑がクリミア半島を奪還したいプーチンと結びつく.そして、ロシアのクリミア併合が行われたわけである.そしてクリミアが事実上ロシアの支配下になるとモスクワからクリミア半島へ向かう通路が必要になる.クリミアは黒海に面し軍事的に重要な地点であるため陸路で結ぶ必要があるそこでまず初めにその通路上にあるドネツィク州、ルガンスク州で内乱を起こし独立宣言させることにしたわけである.

 プーチンの分析では、ウクライナはそれ程抵抗しないと踏んでいたのだろう.少し脅せば相手は引き下がるはずであった.しかし、ゼレンスキー大統領はしたたかだった.クリミアがロシアに占領された後、西側諸国に危機を訴えた.それに呼応したNATO諸国及びアメリカはウクライナ支持に回る.

 そしてウクライナ戦争が起き今に至るわけである.今回の住民投票の実施は、既成事実を作りたいからである.独立した後、ロシアに編入し正式なロシア領土と宣言すればウクライナの攻撃はまさしくロシア領土内への攻撃となる.反撃は正当性があり戦術核を使用する口実ができる.ロシア国内の攻撃であればロシアは国家総動員令を発令し兵士を徴収することも可能になる.

 もしその筋書きで話が進めば核戦争という未来もあながち間違いではなくなる.それは西側諸国にとっても不幸な未来が待っていると言って良い.

 

 果たしてその筋書き通り事が進むか不明である.実質ロシアが占領している土地はいまだにウクライナ軍が制圧していない土地である.住民投票が行われる前に奪還することは不可能である.またプーチンがこの先ずーっと権力を維持できるかも不透明である.

 もしかするとそれは短いかもしれないし長いかもしれない、所謂100年戦争がこの先の歴史になるかもしれない.単純に未来を予測することは不可能になった.

 

 国を守るということはそういうことである.日本が他国に占領され他国の属国となり思想教育をされ日本の歴史そのものを否定され無き物になった場合のことを想像して欲しい.第2次世界大戦はそういった歴史があった可能性があった.占領したのがアメリカ軍ではなくソ連軍だったら今の日本はウクライナと同様の歴史を送っていたかもしれない.ウクライナの苦難はもう一つの日本の世界だったかもしれないのだ.