経済学の問題 需要と供給

 晴れ、気温は11度.昨日は日中も肌寒く、家にいる時は冬の格好で過ごした.

 それも終わり今日からは、徐々に気温が上がり暖かい日が続くようだ.

 

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 ローカルな話題なのだけれど、これを真剣に考えると経済の仕組みが理解できるようになるのではないだろうか.

 札幌市の地下鉄の終電に合わせたバスの運行が無くなったため運行の復活を求めて活動しているという話である.

 バスが運行を取りやめた理由は、

1.運転手不足

2.運行に見合う利用客の減少による経費の増加

 

これは経済学の問いにもなる.解決方法は簡単に考えれば

1.運転手が充足できるように待遇を良くする

2.乗客を一定数確保するか、あるいは運行に見合った乗車賃の値上げ

 

 経済学では自由競争の原理として「見えざる神の手」という言葉がある.所謂「需要と供給」である.需要があり物が不足すれば物の値段が上がり価格が上がるため供給が下がり需要は減少する.物の価格が上がれば他の企業が加わり同様の物を生産することで供給が増え物の価格が下がり需要は回復する.

 しかし、公共に供するものは自由競争に制限が掛る.それは公共のために安定供給が原則なため競争が起こることでものサービスが急に無くなるのを防ぐためである.

 また、今回の場合、乗車賃も自由に決めることができなくて認可が必要である.自由競争の意味で言えば需要の多い時間帯は運賃を下げ、需要の少ない場合は運賃を上げるような変動制でも良いのだが、そういった方法は認められていない.

 時折、日中のバスの乗客が一人、あるいは空気を運んでいるのを見ることがあるが、定期運航なため乗客がいない場合運行を取りやめるといったこともできないため、その分の経費は一日、一月、一年の単位で平滑化されて運賃に反映されることになる.

 

 競争が難しく、公共の交通機関なため通年運行が求められ、更に労働力が不足している場合の解決方法を学生にの授業に取り入れるにはもってこいの教材だと思う.

 

 あくまでも自由経済なのだから競争の原理を追及するというものでも良いだろうし、運行で生じる赤字を住民のために税金で補てんするというのも一つの方法だろう.

 

 もう一つ、Twitterひろゆき氏がフランスと日本の運転手の賃金に言及したつぶやきをしていた.外国と比較して日本の運転手の賃金が相対的に低いというものだった.

 脊髄反射的に、日本とヨーロッパの国それぞれの物価が違うため簡単に比較できないだろう.と思いがちであるが、例えば日本の全労働者の賃金を引き上げてみると当然物の値段が上がるはずだが、そこに需要と供給のバランスが生じないか考えなければならない問題が生じる.

 日本の物価が相対的に低いのは、やはり生産の効率性がもたらしたものだと思う.優れた製品を作り出しても海外に輸出するためにモノの値段をとことんまで下げることを追求してきた.当然輸出して海外で売り出すためには日本と同じ値段ではなく税金や輸送費が上乗せされるため日本で売る価格より高くなる.その差は大きい.

 日本は今まで工業国として世界にモノを売ってきた側である.生産地のモノの物価が低いため相対的に低賃金にななったのと同時に経済不況が長く続いたため労働者の賃金が低く抑えられたためここにきて労働者の賃金は世界レベル的に低くなってきたのも事実である.

 今、北海道では千歳市に進出する半導体工場で話題になっているが、労働者の賃金が安く労働者の能力が優れていれば当然生産する側は安くて質の良い労働者を求めているので需要と供給のバランスが合致したわけで、これから上手くすると日本はある程度モノづくりの主役にまた復活できる機運が出てきた.

 最初に書いたように自由経済を基本とする世界では、競争が働けば経済活動は活発化し、労働者は潤うことになっているわけで、今後その辺りが経済の原理原則に沿って動いていくかも興味深い.

 

また、収益が見込める路線なら競争相手が登場する場合があるが、