J1リーグ第5節 vs 神戸 1-6

 神戸ノエビアスタジアムで行われたアウエーの試合。青空の下緑の芝が光る。

 

 2週間の中断期間がありコンサドーレのケガをした選手も徐々に戻ってきてスタメンを大幅に変えるかと思ったが、ミシャはそれほど大胆ではなかった。

 

GK 菅野

DF 高尾、岡村、中村

MF 浅野、馬場、荒野、菅

MF 小林、駒井、

FW 鈴木

という布陣となった。ケガ明けの菅野選手がGKに戻りDFに高尾選手が入りボランチに馬場選手が入った格好である。

 

そして試合前に作戦としてマンツーマンディフェンスの再挑戦があった。しかし、そのマンツーマンのキーとなる一対一で負けない守備は、神戸の大迫、武藤選手には通じなかった。そこで負けてしまっては作戦も何もない。ミシャは自分のチームの選手が負けない守備ができると思っていたのだろうか?

 今までそれができたのも攻撃陣が相手DFを敵陣に閉じ込めるような前からの守備とカウンターがあったからである。相手のプレスに負けない攻撃が無くてはマンツーマンは夢のまた夢というのが開始早々明らかになったわけである。

 前線が鈴木選手、小林選手、駒井選手では相手の裏を取ることができずどうしても遅攻となる。今までも相手がゴール前を固めると途端に点が取れなかったチームが昨年何とか得点を取っていた香車や桂馬を失っては成すすべもない。今の前線で得点を取れないことはミシャも分かっているはずである。

 コンサドーレの得点の多くはショートカウンターとセットプレーだったはずであったがそれも年々選手の入れ替わりと共に強みを失っていった。今の攻撃は抜け殻である。

 

 FWのワントップに入っている武蔵選手が覚醒するかと思って5試合経過を見ていたが、残念ながらあの時の武蔵選手はもういない。ポストプレーを任されてはいるがベルギーに行って何か強みを身に着けて帰ってきたかと期待したがまだその片鱗さえ見せては無い。

 そして、浅野選手を右サイドに置いたが彼も使われて何ぼの選手である。彼を使いこなす選手がいなければ今のところ自分一人では何もできないことが分かってしまった。その辺り難しいのだが、これは去年の後半から分かっていたことである。その辺りもミシャの見る目に曇りを生じているのかもしれない。駒井選手も前目で生きる選手であるのにもかかわらずゴール前で右往左往している状態である。そして小林選手、使い方が難しい選手なのだが、足が遅い彼が生きるための適正ポジションが無い。彼が浅野選手を使いこなせるパス出しができるなら何の問題もないが、誰に点を取らせたいと考えているのか見ていて分からない。あのくらいの選手なら得点チャンスを得るために誰にパスを出すべきか理解していなければならないのではないだろうか。

 そして、新キャプテンの荒野選手だが、この5試合やはりここぞというところでチームを守るプレーができていない。トリッキーなパスを出したりするがそれが成功する確率が低い。ゴール前のチャンスに絡む動きはできているのだが、そこで終わってしまっている。キャプテンがただの称号で問題ないなら良いのだがそれ以上のものを求めるなら適任ではないかもしれない。小野ONOが荒野選手ではなく高嶺選手を押していた理由もわかる。

 この試合では馬場選手をボランチにしたが、上手く機能していなかった。前の選手の動き出しが悪いのかあるいは代表を意識しすぎて色気を出してしまったかもしれない。マンツーマンの相手を捨ててでもピンチを救うプレーが見たかった。マンツーマンの守備に捕らわれた感がある。その点で言えば岡村選手、中村選手の守備も怪しかった。岡本選手は一人で相手を封じ込めようとしていたが、DFのチームワークで相手を抑えるしか無得点で押さえることはできない。その部分で初先発の高尾選手と中村選手を引っ張るべき役割を果たして欲しかった。岡村選手が大丈夫でも中村選手、高尾選手が上手く連携できないため慌ててしまった。高尾選手は残念ながら空回りしていたし、中村選手は上手い相手だとちんちんにされてしまう。昨年どこかのインタビューで神戸の武藤選手に圧倒されたと語っていたがこの試合も圧倒されてしまい結果を残せなかった。攻撃参加に光るものがあるのだが、如何せんボールに対する執念というかファールをしないでボールを奪いきることができれば日本代表も夢ではない。その辺り本人はどう考えているのだろう。

 結局、ケガ明けの菅野選手に最終的にゴールを守ってもらうだけで終わった。菅野選手がゴール前を2人で守っていたなら無失点で終われたかもしれないがそんなことは不可能。

 最後に残った菅選手、上下動は素晴らしいのだが、最後のアイデアと仕掛けで後手を踏み続けこの試合も輝くことはできなかった。能力はあるのだろうが使われる立場のためどうしても殻を破れない気がする。勿体ないのだが、本人の気持ちが変わらない限り大きな成長はないだろう。一皮むけて欲しい選手である。

 

 ということで先発メンバーをあげつらったが、交代で入ったスパチョーク選手はあの時間で違いを出せる選手に変わった気がする。更に原選手、長谷川選手も攻撃に関しては良い点があった。大森選手は、残念ながらこれはというプレーを見せずに終わってしまった。

 

 次節、名古屋戦は週中に行われる。スパチョーク選手はスタメンだと思うが足のケガが心配。更に原選手は次は先発で使って欲しいくらいである。後は、大森選手だが鈴木選手とツートップで使いたい。鈴木選手のワントップはもう無理だろう。

 

 コンサドーレもけが人が戻ってくればそれなりに戦えると思っていたが、選手の能力はJ1下位グループといって良く、J2落ちの一番手になってしまった感がある。これで残り試合を戦うには茨の道である。三上GMが語っていた黒字達成はできるかもしれないがそれと同時にJ2に落ちるのも怖い。3期連続赤字は避けたいが、どこかから太いスポンサーを引っ張って金を入れてもらうしかない。ミシャ監督の手腕も限界がある。