善と悪

 曇り時々晴れ、気温は2度。少し強い風が吹いている。



 善行と悪行という言葉がある。前者は善い行いで後者は悪い行いという事が漢字からその意味が判る。

 人は皆この世に生まれるときは平等である。善悪の差なく生まれてくるはずなのに、生まれ落ちた瞬間から何らかの業を持たされる。

 その生まれた瞬間から背負わされたその業のようなものをその先の人生でどのように変化させるかが人生ともいえる。悪と善のバランスは微妙である。善行は必ずしも万人の善行では無く、悪行は同じように万人にとって全てが悪では無いからである。

 その微妙な業により、ある時は苦しめられある時は助けられる。そうして人は人を作りその業を受け継がせていく。その輪廻の輪から人は抜け出すことはできない。それが人間社会というものだからである。その輪から抜け出すためには、今いる社会から抜け出る必要があるのだろう。


 善行と悪行と簡単に書くと、物事は単純にイエスかノーで判断されるように誤解するかもしれないが、実はそうでは無いことを知らなければならない。

 医者が全力で助けた患者が、その後大量殺人の主犯に成る可能性もある。誰かを助けるという事が新たな悲劇を生み出すというのは現実世界には儘あることである。

 だから人を助けるなという事では無い。その先の結果がその時点で判らないのなら、目の前にある善行をするしか選択肢は無いからである。

 生まれながらに受け継いだ業を如何に善き方向に変えて次の世代に引き継いでいくか、その過程の中で、自分が出会うであろう色々な出来事を善き方向に変えていくかだと思う。

 もし目の前に選択肢が2つ示されたなら、自分が善いと思う方を選択するしか方法は無い。くれぐれも悪いと思われる選択はしない方が良いだろう。