太平洋戦争が昭和20年（1945年）に終わり、60年が過ぎた事になる。と言う事は、今の日本人の60歳以下の人間は、戦争を体験していないと言う事になる。
その間、今いる大人の大半は、憲法に守られ、アメリカに守られ、戦後復興及び高度経済成長をはたしてきたわけである。
果たして日本人は、日本と言う国をどのような国にしたくて働き生活してきたのだろうか？最初から、このような国にしようという目標もなく60年を過ごし、ただ、物質的に豊かになる事を目標に生きてきたのではないだろうか。
高度経済成長のバブルがはじけ、働けば必ず暮らしが豊かになるという幻想も消え、あるのは弱肉強食の世界であり、自分さえ良ければという考えの人間が増え、更に他人の卑劣な行いは自分に関係なければ知らない振りをする。日本と言う集合体でありながら、その中で勝手気ままに暮らす国を作ってしまった。
また、戦時中の教育に戻せとは言わないし、戦争をしろとも言わない。でも、どこかアイデンティティを失った国民に、日本のあり方を示して欲しいのである。
それを体現せよと言われたら苦しいのだが、自分で律して生活する事は可能である。少なくともそうしようと考えている。
それが、今の大人の責任ではないだろうか？
喩えそれが野暮くさく格好が悪くとも行わなければならない事実なのだろう。
昔の道徳の教科書の美談が、感動させられたけれども、いざ自分が行おうとすると格好悪くて恥ずかしいと思う自分がいた。それは、教科書に載っていることを真似してやることが恥ずかしかったのだろう。そういうことがいつも身の回りであれば、それが普通のこととして行えるようになるはずである。
この先、日本がどのように変化していくかわからないが、我々の未来は今の子供達さらに次の子供達が作っていく。その子供達に教え見本を示すのは今の大人だと言う事を多くの大人たちに解ってほしい。
