J2の戦い

今日は札幌の試合がないため、CSで東京Vと仙台の試合を見ていた。

 試合は、2-1で東京Vの勝利であった。その中身は、中々良い試合をしていた。両チームとも攻撃を主体にした力のあるFWを軸とした攻めっぷりは見事である。

 しかし、両チームとも上位にいるのだが、それでもやはり負け試合もある。その点、極めて強力なFWがいなく、守備もそこそこの札幌が何故首位にいるのだろうか?

 それは、J2のFWの決定力が私見であるが、強いチームで3から4割、それ以外だと2割程度の決定力しか持たないからである。と言うことは、その決定力を守備で半分以下にすれば相手に得点を入れさせることを防ぐことができる。

 良い守備をすれば中々得点を入れられないのがサッカーである。余程の能力差があれば別だが、J2、J1とカテゴリー別に別れている分、そのカテゴリーに所属する選手の能力は左程変わらない。プロ選手と小学生が試合をするのでなければ、相手にそこそこの守備をされれば得点が入らないのは当然である。

 そうなのである、J2は守備ができれば中々負けることはない。しかし勝てないと言う事実と表裏一体の関係にある。そこで、Jリーグの各チームは、FWに個人能力の高い外国人選手を使うことになる。
 守りを固め、FWに得点能力のある外国人選手を使う、ある意味J2を勝ち抜くセオリーはそこにあった。
 しかし、それではJ1に昇格したとしても中々J1を勝ちきることができなかった。そのため今ではJ2の各チームが、J2で勝ち抜けると同時にJ1に昇格したときに残れるチーム作りをはじめた。

 そこで、今季札幌は、まず守れるチームを作り始めた。なぜなら今までは負けることで勝ちきれないチームだったからである。まず負けないチーム作りをする必要があったのだ。
 初戦こそ自分たちの力の無さを京都に突かれたが、それ以後は上手くスタートを切れた。何故なら相手が皆、攻めに出てきたからである。相手が前掛りに成れば成る程、自陣内に相手を引き入れ自分たちの攻撃に繋げる。そこで上手く点を取って勝ち試合にしてきたのである。

 まだ、今季の半分も試合を消化していない時点で今後の結果を決めることはできない。今後札幌の戦い方に対する対策を練ってくることは間違いない。更に、一度攻めに出たチームを守り重視に変えることも時間がかかるし、チームの方針を変えるときは監督も変わるときである。

 ただし東京Vのラモス監督は別であった。攻め一辺倒のチームから守備から入るチームに変えて成功している。今後脅威なのは間違いない。

 ちょっと話がそれたが、上手く守備と攻撃を切り替える札幌の戦い方が今のJ2ではベストの戦い方である。更に言えば、外国人選手が、守備をサボらない点も良い。また、傑出した能力の選手ではないことが幸いしている。もしフッキ選手のように能力が高ければ、札幌なら間違いなくフッキ選手一辺倒であったに違いない。しかし、そうでないため却ってチームのバランスを良くしているといえる。

 しかし、今後楽観はできない。周りのチームがどのように戦いを変えてくるかは未知数で、勝てる試合が少なくなる可能性がある。それでも負けることが無ければ上位にとどまることは可能である。しかし、攻めを守備より上位におけば躓くことも出てくるだろう。そのときどうチームをまとめていくことが今後の勢いの鍵になる。
 今勝ち続けていることがチームをまとめているともいえる。