ユッケ

 晴れ、昨日から漸く日差しが見え始めた。ゴールデンウィーク中は肌寒い天候が続いたが行楽地は大変な人出だった。今週末は、桜の開花もあり、これからが春本番である。


引用 共同ニュース(http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050501000690.html

生肉食中毒できょう捜索 焼き肉チェーンや卸業者 

 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒で、富山、福井両県警の合同捜査本部は5日、業務上過失致死傷容疑で、チェーンを運営する金沢市の「フーズ・フォーラス」本社や富山、福井県の店舗、東京都板橋区の食肉卸業者などを6日に家宅捜索する方針を固めた。

 お亡くなりになられた方は、本当に気の毒というしかない。お悔やみを申し上げます。

 これに関して、いまだに「ユッケ」を提供している店の安全に注意して行っている作業方法が、朝のNHKニュースに放送されていた。

 その余りの杜撰さに口を開けてしまった。これが安全というなら、今まで起きてこなかったのは、それなりに表面を削ぎ落した関係で病原菌が付着した量が少なかったということだろう。

 なので、それ程口うるさく言わなくても問題が無いと言えば問題が無いのだが、どこが衛生管理上ふさわしくないかというと。

 1、手洗い極端に短い。5秒程度だった。

 2、手洗い剤を使用していない。

 3、手を濡れタオルで簡単に拭く。

 4、手と包丁をアルコール消毒していたが、そのあと包丁を先程、手洗いで手を拭いたタオルで包丁のアルコールをふき取った。

 これが衛生管理責任者のマニュアルだとしたら普通なら失格レベルである。

もし、この肉が常温で切り置きされていれば、付着した病原菌が繁殖して食中毒の原因になりうるだろう。

 これまで色々な食中毒事故が起きているが、この程度の衛生管理ならある程度の確率で事故が起きて不思議はないレベルである。言うなら家庭料理レベルの延長で食事が提供されていると言って良いだろう。

 今回の事故の場合、表面を削ぎ落していない時点で、高濃度の病原菌が付着した肉が提供されたのだろう。いつ起きてもおかしくは無かったことが良くわかる。手洗いが不十分でも、付着した病原菌の量が少なければ、少し腹を壊すレベルだったのだが、それが無いせいで事は起きてしまった。

 更にこの店の提供している「ユッケ」の値段が半端ではなく安い。表面を削ぎ落していては、提供できない価格である。その辺りも既に危ない店だということが判る。

 そのため、既に加工済みの肉を食肉卸から仕入れていたということから、この店では、解凍して取り分けて提供することをもっぱら行っていたことが判る。そのため同系列の店で事故が起きている。

 安く、食事を提供するために色々考え、店では調理を殆ど行わないチェーン店がどんどん増えている。そのためそういった店では、温めて提供するメニューが殆どで、生で提供することは有りえない。生ものは野菜サラダ程度だろう。

 今回の焼き肉店でも、生で提供せずいれば今回のような事故は起きなかった訳で、その認識が経営者に無かったことが問題である。

 改めて、外で食事する場合、生ものを食べることは極力避けることが安全だろう。熱さえ加わっていればそれなりに安全である。そういったことを改めて認識する事件であった。