戦車

 曇り、それでも日中は晴れそうな雰囲気である。気温は1度。

引用 朝日新聞http://www.asahi.com/articles/TKY201311210354.html) 

防衛省は、陸上自衛隊の配置を見直し、本州から戦車部隊を撤退させ、北海道、九州にのみ配備する方針を固めた。10年後をめどに戦車数を現行の741両から300両に大幅削減し、冷戦期の本土防衛から対中国を念頭に置いた離島防衛に重点を移す。12月中旬に策定する新防衛大綱に明記する。

 北海道には、第7師団、第2師団に戦車連隊が存在する。第2次世界大戦が終わり、その後自衛隊が組織された時は、まだ米ソ冷戦時代だった。米国の影響下にあった日本も、対ソ連の意味合いで北海道に自衛隊の多くの部隊が駐屯した。

 昔は、今ほど航空力の争いでは無く、空からの攻撃を重要視してなく、侵略を受ける際は敵の上陸作戦に対する備えが重要視された。

 今では、誘導ミサイル、無人飛行機などの兵器のハイテク化が進み、戦車の攻撃力は重要視されなくなった。対イラクアメリカの作戦では、軒並み戦車は誘導ミサイルの標的になった。

 今では戦車は、内乱鎮圧用の兵器という位置付けであり、北海道のような場所に敵が上陸した際、事前に戦車で待ち伏せしようにも上陸地点が変わってしまえば、その移動に費やす時間により上陸作戦の抑止力にはならないだろう。更に重要拠点の防衛用として位置づけても上に述べた近代兵器の前には無力化しやすい代物である。

 それでも、戦車を北海道に残す意味は、大型艦隊の侵略を防ぐと言うよりも、ゲリラ攻撃等の小規模な紛争対策となるだろう。

 今でもロシアは、武力大国であり、更に中国、北朝鮮、韓国までもが日本に敵対的に成る中、もしかするとという恐れはあるが、その場合でも海上での争い、或いは離島の上陸行動の阻止という事に成る。その場合でも戦車の必要性を想像するのは難しい。

 北海道でも年中、千歳にある北海道大演習場で訓練を行っており、大砲の音が良く聞こえてくる。今年の秋は、戦車が撃った砲弾が行方不明になり大捜索が有ったらしいが結局行方不明になったというニュースが有ったことは記憶に新しい。

 今後、日本の兵器も近代化し、ハイテクの利用が盛んになるだろう。その場合やはり重量の重い戦車を無線操縦で移動して攻撃するというよりも、今回首都圏に重点的に配置される機動戦闘車がそういったハイテクによる操縦には向いている。それはコンクリート道路のような移動に必要な基盤が必要ないからである。

 今は、ロボットが自立歩行して動くというような所まで行っていないが、筋肉の運動補助を行うロボットの研究は盛んであるため、まずそちらが装備され、そののちロボットが攻撃の大半をこなす時代がやって来るだろう。それはロボット三原則に違反することだがその原則もSFの世界の決まりであり現実社会ではロボットが人を殺すことを禁止していないから兵器としてロボットのようなものが使われていくのだろう。このペースで行けば、ロボットが街中を歩く姿を見られる日もそう遠くない。

 今回の戦車の削減は、自衛隊の中の世代交代が進んでいることの表れだろう。