対 大宮

 晴れ、気温は14度。

 昨日の試合、CSで観戦。

 試合序盤、相手の大宮の猛攻を交わすと、札幌の子気味良いパス交換から古田が飛び込み先制点を上げる。その後直ぐ堀米のパスから前寛之がヘッドを決めて2点差とする。

 しかし、さすが首位の大宮は慌てず落ち着いて試合を進める。そこには何時でも点数を入れられるといった勝者のメンタリティを感じさせる。

 そこに運悪く札幌の深井にアクシデントが起こると選手に集中力が欠ける雰囲気になり試合終了間際に1点を返される。これが試合のポイントである。きっと選手たちは、集中して試合に入っていたと思っているだろうが、丁度、深井がピッチを去るまでの間休みが有ったことで、選手の頭と体が分離した状態に陥ってしまった。

 それは誰にでも起きうることで、日本代表でも起きうることである。その隙を突けるか突けないかで強い弱いが変わると言って良い。


 そしてご存知のようにクが何でもないボールをキャッチミスして同点にされると札幌に既に反撃する体力も気力も無くなっていた。そして最後に得点を入れられ万事休す。

 この試合の綾は3つあった。一つは、深井の思わぬ怪我、クの凡ミス、そして交代選手の間違いである。深井の怪我は不可抗力だが、ク、選手交代は戦略ミスである。


 交代のミスでいえば、菊岡は選手を鼓舞するタイプの選手では無い。ある意味、自分勝手にプレーするタイプである。そして2人目の小野は、周りが動いてもらってナンボの選手である。自分一人で相手をごぼう抜きし得点を入れるマラドーナ、メッシタイプでは無い。だからあの時間帯に交代出場させても何の意味もない。

 素人の自分から見て、あの交代策は無いと思った。一番選手を見ている監督が何故ああいった交代策をしたのか甚だ疑問である。昨日の采配は納得できない。


 タラレバでいえば、深井の怪我の時に小野を入れておけばある程度2点差のまま試合を落ちつけられたかもしれない。本当にタラレバになってしまうが、先発の選手は若いが故にイケイケどんどんでそれが良い所を発揮して得点できた。しかし、2点リードした後にゲームをコントロールできる能力は無い。そのため何時も全力疾走を繰り返しいたずらに体力を消耗してしまった。

 だから試合を落ち着かせる交代策が必要だった。その役割は上里ではできなかった。タラレバなので小野が入ってもみんなの心を落ち着かせることはできなかったかもしれないが、試合をペースダウンできた可能性がある。


 そして、その後に試合を落ち着かせることのできる選手を入れるべきなのだが、昨日の試合に限ってそういった役割を担える稲本であったり河合がいない不運があった。そういう意味で本当に残念な試合だった。

 一つあの試合に光明を見いだせるとしたら、若手主体でも得点を入れられることができたという事である。それはこれからの試合に本当に大切な出来事だったと思う。あの試合を捨て試合と捕え、若手を鍛えられたという良い解釈をすべきなのだろう。

 選手評

 ク:残念な守備。キーパーがミスをすればすなわち失点に直結する。良い守備もあったがミスはミス。次の試合は控えに回すべきだと考える。そうでなければ練習している他の選手が浮かばれない。

 福森:残念ながら輝いていなかった。1点目、2点目共に彼が相手に付ききれなくシュートを打たせてしまった。

 櫛引:オリンピック代表に選ばれ一皮むけた。河合が居なくとも十分統率できる。

 前貴之:本職で無い所で軽い守備が目立った。このポジションで試合に出るためにはもっと守備力を上げる必要がある。

 堀米:攻撃は積極的だった。守備力に関してはまだまだ足りない。

 宮澤:上手く試合コントロールしていたが、後半、脚が止り点を取りに行けなかったのはマイナス。

 深井:今日こそ90分出場できたはずなのに。またリハビリの日々が始まるのか。

 前寛之:前半の動きは良かったが、前半の終わりころから相手をフリーにするのが目立ち、後半は何の役にも立っていなかった。

 荒野:吹かしたシュートを見て、残念感を覚えた。周りが見えていない。

 古田:彼も得点を上げた点は評価できるが、彼も周りが見えていない。

 内村:背が低い彼にポストプレーを求めるのは酷。都倉と違うのだから、違ったパスの出し方受け方が有ったはず。自分が一番生きるパスをもっと要求して良い筈。もう一度花を咲かせてほしい。それでなければこのまま枯れていきそうである。

 上里:可もなく不可もなし。後半皆と同じようにばててしまった。もう少し攻撃の変化に対応した動きが欲しい。

 菊岡:あの堀米に合わせたCKは素晴らしいと思ったが、それ以外は控えレベル。きっと練習ではこれぞプロというプレーができるのだろう。それを試合で発揮できないから今の位置にいるのだろう。

 小野:最後のシュートを決めれば尊敬されるのだが、このままで行くとゴン中山コースである。ただの人気取りで終わるのかレジェンドに成れるのかの境目。少年サッカーの育成に力を入れ出しているのでそろそろ引退後の生活を考えているのかもしれないと思わせるプレーである。他の選手との違いを今シーズンの間に見せて欲しい。