代替わり

 曇り、気温は5度。


 自分の住んでいる所は、30数年前にできたニュータウンである。もう一つの時代を終え次の世代にバトンタッチすべき時期に来ている。

 新しい街にできた商店街もすっかり寂れ、その時は若かった経営者も歳を老いそれと同時に店舗も寂れててきている。普通なら代替わりをすべきところなのだが、子供をその商売の跡取りとするのを諦めたようで年老いた店主が細々と店を続けているようだ。

 もっと栄えた都市なら、代替わりと言うよりは、流行り廃りで頻繁に店が変わることの激しさで懐かしさが失せてしまうことだろう。その土地に住む人間はうんざりするだろうが、そうでないこういった所は、変わらないことが当たり前で、急に何かが変わるとその変化に驚くことになる。

 それでもやはり街は生き物で、多くの建物にも賞味期限が存在し、建て替えをしたりリフォームをしたりしなければその形を維持していくことは難しい。

 それと同時にその建物に暮らす人も、永久に生きることは無いためその持ち主が居なくなったと同時にその役割を終えることが多い。

 時と言うものが人の行為を無にしてしまい、そこに現れた別の人が新しいものを築き上げない限り大地に戻ることに成る。

 果たして次の30年後、この土地に何が残り何が消えていくのだろう。今からは想像もできない。