時すでに遅し

  曇り、気温は10度.肌寒く感じるような気温.しかし歩けば自然と体温が上がり汗ばむようになる.

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 米中冷戦という言葉が正しいような状況になってきた.上記のニュースでは何となくそういった危険があるよとしか判らないが、以下のニュースで更に説明が追加されている.

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DJIの声明では、データの収集、保存、転送についてはユーザーが完全な権限を握っていると説明、「当社の技術の安全性は、米政府と大手米国企業によって独立した立場から検証されている」と強調した。さらに、「追加的な安全対策を必要とする政府機関や重要インフラにかかわる顧客のために、われわれはデータがDJIに転送されないドローンも提供する」と述べている。

 DJIでは、そのデータ転送の仕組みを備えていると暗に認めている.

 

 中国の企業が作る製品に何故これ程、情報収集を勝手にできるような仕組みが組み込まれているかは、中国がそういった情報収集に力を入れているからである.

 その大きな理由は、国民の情報を隅々まで手に入れ国家に反逆するような者を事前にピックアップしたいという方針だからであると考える.

 

 本来なら国内向けと国外向けを切り離して製造すれば良いのだが、そうなれば生産に手間がかかるし、もしかすると外国向け製品が国内で流通してしまうという恐れがある.だからすべての情報を収集あるいは通信する製品にはあらかじめバックドアが仕掛けれれているのだろう.

 そうしておけば何時でも必要な時に情報収集に使用できるメリットがある.はじめは国内向けに使用する製品だったのだろうが、その製品が国外に輸出されるようになった後も作り替えることなく売られ、そして今アメリカで問題となっている.

 

 では、今回の問題で中国政府は、企業にバックドアのない製品を作らせることを奨励するかというとしないと思う.彼らが考えるのは中国政府だけが利用できるように更に機密かした製品を作るように指令を出すだけである.ばれないようにしろという訳である.当然、国内で使用する機器は必ずバックドアが解放された状態で使用するように設定させるだろう.

 ばれないように作っているのでちょっとやそっとで見つからないが、情報技術の発達でいつかは露見する.しかし、見つかった後でも彼らはそんなことはしていないと言い張るだろう.

 

 はじめは国内で利用とした中国だが、思いのほか国外にも流通し始めており、情報収集しようとすればあらかじめ組み込まれたバックドアを利用できるようになっている.また同時に自動的に中国のサーバーと情報のやり取りをしており、必要な情報は得られるようになっている.これは最初は国内向けのユーザーの行動把握のための仕組みだったのだが、これまた外国のユーザーの行動把握もできてしまうので、使えるものなら使ってしまうという彼ららしい発想でそのまま利用してきているのだろう.

 

 昨日も書いたが中国は一見自由にあふれているように思えるが、13億の人口を持つ国である.例えば1%の反乱分子が存在すると仮定した場合、数字上はたいしたことが無いように思えるが、その数は1300万人になる.0.1%でも130万人である.そういった反乱分子が発生すること自体国家安泰に水を差すことになる.できるだけその数を限りなく0に近い数字にしたいだろう.そのためには、未然に反乱分子になりそうな国民を再教育という名の刑務所に入れ隔離したいというのが為政者の考えになる.

 

 だから、中国製品が世界からボイコットされてしまうのも致し方ない.自分の個人情報を中国政府が隅々まで把握しているというのは問題だろう.しかし、マイナンバーの情報入力を外国企業に委託していたなど情報統制の未熟さ故、日本国民の個人情報はすでに中国政府は把握しているだろう.

 

 日本でもサイバーセキュリティ庁を発足させる準備をしているらしいが、ときはすでに遅く、情報収集能力は遥か先を行かれている.ないよりはマシ状態だが、まさしく一からの出発だろう.

 

 こういった情報戦争が本格化すればするほど、個人の情報は丸裸になる.今でも進んで個人の情報を公開する時代なのだから、それが当たり前の時代といえば時代である.

 なるようにしかならないという達観した世界観があるなら昨日の天声人語氏の語る言葉も一つの見方だろうと思う.