Jリーグはパワハラ問題にどう対処するか問われている

 晴れ、気温は16度.徐々に朝晩の冷え込みが厳しくなる.今日から9月になってしまったからである.コロナの関係で色々なことが先延ばしに成ったり中止したりしているため徐々にストレスも高まってくるこの頃である.

 

hochi.news

 数日前から、ヴェルディの監督、そして鳥栖の監督とJリーグパワハラ問題が吹き出している.プロ野球でもつい最近日ハムの選手が暴力行為で謹慎となり巨人に電撃移籍となったこともあり.スポーツ界での暴力やパワハラ問題は根深いものがあると思う.

 そもそもの端緒は、今現在のご老人たちが築いてきたものでもある.そういった暴力を是としていた指導者が年齢を重ねるとともに協会の役員となりトップとなっていった.その人たちは鉄拳制裁も愛情表現であるとごまかし続けてきたから今がある.

 自分も教師の体罰は必要悪という感覚で学生時代を送ってきた口である.口では綺麗ごとを言いながら心の中で自分の欲求不満のはけ口にしている大人を見てきた者として悔しい思いもしてきたが、それを下のものにしてこなかったと言えば嘘になる.

 昔、巨人の星という漫画があったが、今あれが放送されれば星一徹は虐待とされ逮捕されることは間違いない.しかし、自分達の世代はあれがもてはやされ、グラウンドをうさびとびして回っていた.それが一流になるため乗り越えなければならない試練だと思っていたからである.

 その巨人の星も徐々にそういった世間の常識を外れた人生を送ってきた星飛雄馬に対して自分はロボットではなく人間であるということを主張し始めたのも時代の流れだったかもしれない.

 昔のスポーツ漫画は、そういった倒れてしまうまでとか怪我をするくらいでも頑張るというのが主流だった.常に指導者は鬼のように振る舞い這い上がって来いと言うのが決まり文句だったはず.

 しかし、その常識は今では通用しなくなっていると言える.それは、時代が平和になり人一人毎の人生というものに焦点があてられるようになったからといえる.少なくともスポーツ界において暴力で人生を狂わされることがあってはならないという考えがようやく浸透してきたと言える.

 だけれども初めに書いたように自分達が暴力で支配されて育てられた時代の指導を絶対視している人たちも大勢存在する.厳しい指導は自分の子供にはできないが他人の指導なら自分の子供が真っ当に教育されるはずと信じているのである.だから、暴力反対と声高にできない事情もある.指導者が優しく指導しているとそれでは強くなれないと猛然と抗議する親が今でも存在する.

 鳥栖の監督の指導は、そういった自分が育った環境にノスタルジーを覚える人たちにとっては必要悪なのである.自分達が受けた指導は厳しいがそれは愛情があってそうしてくれていたのであると自分の心に暗示を掛けているのである.所謂洗脳された状態といえる.

 しかし、既にJリーグの選手は、その競技で生活をする自営業者ともいえる.その選手たちに体罰は不要である.もし、チームに不要なら首になる立場である.ある意味組織に従属し組織の期待通りに活躍しなければ無用の存在になる.だから暴力は不要な社会なのである.その社会で暴力を是とする指導者は淘汰されるべきである.何故なら、選手は毎年入れ替わることが当たり前であることが前提である.能力を発揮すれば上のチームに引き抜かれるし、能力を発揮しなければ退団する.そういった明白なルールに沿って生き残る社会だと選手たちも自覚しているからである..指導者の思うように動けない選手は試合にすら出場できないわけであるのなら暴力など振るわず放っておけば良いからである.

 今後、Jリーグもその対策が求められる時期に来たと言える.実際、そういった行為には絶対ダメと宣言してきているが、その裾野の広さと今までの年数から中々暴力行為を働くものを排除できていない.更に近年続くJのトップリーグの指導者のパワハラの告発は、今までJリーグが口先ばかりで何の配慮もしてこなかったことを疑わせるレベルにあると言える.