不幸の連鎖

 曇り、気温は10度.日差しが無いため肌寒い.このところ暑い寒いの差が激しく体調を壊す人も多くなりそうな気がする.人間の健康は環境に大きく影響されている.人間は弱い生き物でそれを解決するために色々なものを発明してきた.そういったものを利用しながら生きてきたともいえる.それが無ければ人間の寿命は30歳くらいで命を失っていったのだろう.

 

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 人間は文明社会を作り上げ寿命を延ばしてきた.その歴史の中で人類は自らの寿命を縮める行為を行う.

 何というべきか寿命を延ばすために利用されていた文明を利用して今度は人間を殺すために使う.それは人類として意味の無い行為である.しかし、人間の意思はそういったものを簡単に踏みにじる.自分達の目的のために相手を抹殺しようとする行為を正当化する.

 

 ウクライナの戦争は、異なる意思の戦いである.それに加担する兵士は自らそれを目的とする者と職業としてその任務にあたる者が交じり合いながら相手の息の根を止めようと行動する.

 戦争を見守る側も自分達が提供する武器が多くの兵士を犠牲にすることを知っているにも係らずそれを実施する.

 西側諸国の思惑として経済制裁と武器をウクライナ軍に提供することでロシアは撤退すると考えていた.しかし、ロシアも簡単に撤退することは無かった.それは、自分達の領土で行われていないからである.目に見える被害が無ければそれに気づくことは無い.自分達に影響が有って初めて戦争の実感がわくからである.

 この戦争の終着点はお互い戦う兵士が居なくなった時だろう.全ての兵士が戦争に参加できなくなるまで続くとしたらウクライナは国でなくなる可能性が高い.そこまでプーチンが考えているとしたら恐ろしいことでもあるし、それと同等のロシア兵が亡くなっていくことを考えるとロシアにも多大な影響があるだろう.

 

 人類は人類が発展していくことをDNAの教えに沿って行動してきた.人が人を生み出し未開の大地を開拓し生活圏を広げてきた.地球上に人類が到達できない地点が亡くなった今、今度は、その地球上で占有した土地を巡って奪い合いをはじめた.

 争いが始まって人類は何度も教訓を得続けてきたわけだが、それでも戦争を求める人間が生み出される.人類が膨張するのを防ぐためのDNAに組み込まれたスイッチが絶えず働き始め、お互いに殺し合う.それを防ごうとする働きと実行しようとする働きがせめぎ合い続け、一時は、防ごうとする動きが優勢だったが、徐々に人類の膨張を防ごうとする動きが勢いを増してきているのである.

 

 人間は神ではない.不老不死の体を持たず絶えず時間と共に入れ替わる存在である.不幸の連鎖は止むことは無く、その記憶も次々と人が入れ替わるごとに薄れていくものなのだ.