近藤誠氏死去

 

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 「がんもどき」という言葉を唱え当時のがん治療に一石を投じた方が亡くなった.

 

 近藤氏ががんもどきを唱えた当時、がんの拡大切除術が主流で外科系の切れば治るはずという主張に反論した形となった.その当時の治療法はがんであれば外科手術が主流で化学療法薬も当時はそれ程効果がない物が使われていた.

 そのため、無理な外科手術で命を落とすことの方が多く抗がん剤治療も副作用で苦しみながら治療を受け効果が出ないで終わるという事例が多くあった.

 そのことも有り、手術しない化学療法を行わないという選択肢もあったわけである.その当時の医療レベルはそんなものであった.しかし、時代は変わり拡大手術は行われなくなり、昔の抗がん剤と比べ効果的な薬剤が登場し始め、更に化学的にきちんとデザインされた標準治療が行われるようになりがんの治療は格段に進んだ.近藤氏もどこかで主張を変えることが必要だった.

 

 何が正しくて正しくないかは主張した時の情報が全てであり多くの情報が出た頃には既にその主張は過去のものになってしまう.その当時は正しくとも今の常識では正しくないと証明されるものも出てくる.

 新型コロナウイルスのワクチンも同じといえる.今回の新型コロナワクチンの晩発性の影響は現時点では不明である.そのため最初は小児に対して使用を控えるということが言われていたが、小児に発症が増えることでワクチン接種が行われるようになってきている.

 今現在の情報ではワクチン接種は、人類にとって必要なものであるが、5年後10年後にどのような影響が出るかまだ判っていない.時間が経てばその結果が判るものである.しかし、今の情報を基にするならワクチン接種は人類を救う唯一の手段でもある.既に軽症化しているため接種するしないの選択の権利はそれぞれにありその意思が尊重されるべきであるが、個人の感想を他の人に強制すべきではないことも事実である.

 そういう意味で、近藤氏が唱えた理論も最新の情報を元に検証されるべきであり、今を生きる人に対して正しく伝えられるべきであると思う.今と昔、情報の選択により救われる命も違っていたわけで違いが起こることも理解しておくべきことだった.