戦争を行える国

 曇り、気温は20度.空一面雲が広がり何時雨が降ってもおかしくない状況.夏も終わりというのに晴れる日は続かない.

 

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 クリミア半島は、ウクライナにとって強奪された土地、ロシアにとっては既に自分達の領土として占領した土地である.ウクライナ戦争開始後ロシアはクリミアが戦場になるとは考えていなかった.そのため、そこを守るため軍隊を派遣しなくてはならなくなった.

 ウクライナにとって都合の良いのは、ウクライナ戦争が開始されて直ぐにロシア軍に占領された南部の州はウクライナ国民が住んで暮らしているが、クリミア半島は既にロシア人が住んでおり自国民を攻撃することにはならないことである.

 ロシアはこれで広域に軍隊を展開する形になりそれぞれに前線基地を構築することになる.ウクライナ軍はこれにより東部の戦線で息を吹き返すことが可能かもしれない.

 

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 戦争はいけないとマスコミが一斉に語る終戦記念日.その後の戦争の記憶を語り継ぐという企画が進行している.第2次世界大戦を経験した人が既に高齢になり、次の世代に記憶が引き継がれる機会も減り、若者世代の戦争のイメージは、よその国のことでありゲームの世界の話になっている.身近で戦争の残酷さ、所謂、攻撃するほうも攻撃される方も犠牲を払いお互いに生きるため相手を殺すという種の保存というより種の淘汰を目指しているようなことである.

 

 では、実際の当事者になったと想像してウクライナ戦争を考えるとこの戦争の意味が浮き彫りになる.それは独立国家はどのようにして守られていくのかの疑問である.今回日本から遠く離れたウクライナで起こっている戦争のため直接経験できるわけもなく、その経験は、情報による疑似体験でしかない.日本ではウクライナ側の主張が溢れているがロシア側からも情報は流れてくるがウクライナ善、ロシア悪というフィルターを通して流れてくる.その判断は自己に任されるが一端フィルターを通されるためどうしてもウクライナ側につきたくなるのも事実である.

 その考えを追及していくと、今の世界秩序の破壊を許すのか許さないのかの問いに行きつく.世界社会は、ロシアの行為に対して概ね反対しているが一部の国はロシアの行為を批難していない.ロシアの行為に反対しているのは今の世界秩序を動かしたくないと基本的に考えている.何故なら今のロシアの行為を認めるならいつでも隣国が攻め込み武力で圧倒されれば強い国に飲み込まれてしまうからである.

 そのルールを認めてしまえば、世界秩序は中性ヨーロッパの時代に逆戻りしてしまうからである.力と力でお互いせめぎ合い生き残った者が領土を得るという考えが基本になれば、今までの繁栄を失うことにつながるからである.

 では何故ロシアはウクライナに攻め込んだかといえば、武力では世界に誇る兵器を抱え、核爆弾も豊富に所持している国である.経済は世界1ではないが武力ではアメリカと拮抗すると考えていた.

 その力の一端を世界に示すことができればロシアは世界の強国として他の国から認識されると考えたのだろう.実際にウクライナクリミア半島を占領し自国の領土とすることができたわけでそれに対して世界はしぶしぶであるが黙認した事実がある.その事実のみで次はウクライナの殆どを領土化しようと考えた.それはロシア周辺の国々を巻き込み一大帝国を作ろうとする野望に近い.

 もし、ウクライナがロシアの属国になれば次に狙われるのはそれに接する国であることは予想されることである.それを認めないことが世界秩序を守ることであると西側諸国は考えている.翻って日本の一部の人たちは、戦争反対という理由でしか考えようとしない.確かに戦争が無ければ無い方が良いのだが、現実には武力を持った国が存在し、外交という名の元戦争を回避している状態である.では実際に戦争を外交で止められるかというそう話は簡単ではない.戦争の多くはお互いが殺し合いどちらかが先に根を上げるかで決まるものが多いからである.

 日本がもし戦争に巻き込まれないようにするなら、武力を整え相手に攻撃したら反撃されるぞと思わせ、更に戦争に関する問題に関して賛否を明らかにしないことである.

 もし、江戸時代のように鎖国政策を取り島国として生き抜くならそれでも良いのだが、今の日本は多くの国と貿易を行い経済活動を行っている.その中で自国の都合の良い行動だけしていても国として信頼されないと交易が続かない.その中で友好国を作り徐々にその中でグループに入ることになっているのが現状である.どこかで意思をはっきりさせればそれと対立するグループも出てきてしまう.

 日本は世界に対して戦争を仕掛けない国として宣言しなけばならない.そのため戦争を仕掛ける国があればそれに反対する立場をとることは必要である.しかし、それは何時でも戦争ができる準備を怠らない必要がある.それは表裏一体の事実である.