認知症治療薬 「レカネマブ」

  晴れ、気温は12度.天気が良く気持ちの良い朝である.この晴れ間も結構続く予報である.故Jの時期は農家の収穫の時期を迎えスーパーには沢山の新鮮な野菜が並ぶ.春先には不足して高値だった玉ねぎ、ジャガイモなど獲れたてのものが安く並んでいると少し安心する.これから冬を迎えるアリになった気分である.

 

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 エーザイ認知症の新薬がとうとう認可申請のところまできた.実はその前に「アデュカヌマブ」とういう新薬があり、こちらは既にアメリカで2021年に迅速承認されていた.しかし、その後脳出血などの副作用があることから臨床試験のみに保険適用とされたためエーザイ臨床試験を中止した経緯があった.

 しかし、エーザイにはもう一つ認知症の治療薬として開発していた「レカネマブ」があった.前述の薬と同様アミロイドβを標的とするものであったが後者はアミロイドβ凝集体という蓄積される過程のアミロイドβを除去するという.治験の段階では副作用も有ったのだが、比較的少なくデータ的に偽薬との統計上の差が出たということである.

 この薬、本年度中に欧米、日本で承認申請することになっているが、早期に承認されるとの予想がされている.

 

 そこで気になる治療法と薬代だが、治験では10㎎/㎏(体重)を週で投与したようである.そしてその前にアメリカで限定で保険承認された「アデュカヌマブ」の費用が年間5万6000ドル(途中から2万8000ドルに引き下げられている)だったので、この薬もその範囲に入るだろうと予想される.

 

 実際の効果はどうだったかというと完全に治療できるわけではなく病気の進行を有意に遅らせることができたというものである.

 認知症の原因がアミロイドβだけではないようであることは徐々に明らかになっており、完全にアミロイドβを脳内から除去できても認知症は治らないということが既に確かめられており、それ以外の原因が複雑に絡まっているのは確かである.当然、脳血流の異常も絡まり認知症は進行していくので認知症が治るということは今の時点で考えられないのが現状である.

 しかし、これからの世界で高齢化社会が進めば進むほど認知症患者は増加することは確実で、それを見守る、介護するための費用は大きな経済の損失である.これ以上治療を要する人が増えればこの先医療保険介護保険は成り立たなく事が目に見えている.その崩壊するまでの時間を稼ぐ意味でもこの新薬は社会的ニーズに合致する.

 

 人は必ず老いて死期を迎える.それを迎えるまでの人生が有意義であるためには死ぬ間際まで正気を保っていられることが必要である.