カムイ

 晴れ、気温は5度.北海道の下を通過する低気圧が南野暖かい空気を運び気温が上昇している.これが通過するとまた寒い空気が入り込みぐっと寒くなる.三寒四温ならぬ四寒三温というところか.

 

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 北海道で放送されている北海道道、昨日は「没後100年・知里幸恵アイヌ語のいま」という内容で放送された.放送時間は30分ということでそれ程深い話ではないのだが、北海道に住んでいたアイヌの人たちの暮らしの一端を知らしてくれた.

 

 北海道民の中には北海道には今の日本人が大昔から住んでいたと誤解している人がいるかもしれないが、江戸時代にはまだ北海道はアイヌ人が暮らし明治の開拓時期が始まった頃から今の日本人が移住してきた土地である.そのことを知らずに北海道を語るべきではないと思っている.今、北海道ではアイヌの歴史を残そうと努力をしている最中だが、過去を知り語り継ぐことは必要だしそれを忘れて日本の発展はない.

 この番組の中でアイヌとカムイ(神)との関りがほんの少し出てきた.それは、人とカムイは対等の立場だったというものである.何故それが気になったかというと今の統一教会の問題が起きているからである.

 

 宗教では、神は人を超える絶対的な存在であり、人を作り出した大元とであるとされている.そこにあるのは神と人とは対等の関係ではない.人は死後の世界でも神や仏に支配されていると言える.

 その点で言えば、今の宗教の教えは誤りであると思う.そこにあるのは人間が神のような全知全能をもった存在になりたいとの願望でしかないからである.人が全知全能の存在になることは決してないしそこにあるのは人が間違った行動を取ることを避けるためには全知全能の神でしかできないということでしかない.その全知全能の神でさえ決して全ての人を救ってくれるわけではなく信心深い信仰に務めたものが救われるだけらしい.全ての人が幸せになることはできないというのは戦争で多くの人が理不尽に人生を終えていくのを神はどこかで黙ってみている状況があるからである.

 

 もし、アイヌの人がカムイが人と対等の存在であれば、この現実の理不尽さの理由がわかる.何故ならカムイは人の手ではどうしようもないものに存在する.その存在は同じ世界に住みカムイと人はお互いに影響し合いながら暮らしているからである.カムイの行動で人の運命が左右されたとしてもそれはカムイが悪いのではなくその存在を無視して行動する人が悪いということになる.

 ヒグマに宿ったキムンカムイに人が襲われたとしてもそれに対して人は抵抗することもできるし、抵抗せず隠れることもできる.もし襲われて命を奪われたとしてもそれはその存在を無視したことによるものであると考えれば人とカムイの関係性が理解できるというものである.

 

 この件に関してはもっと深い知識が必要で、簡単に書いてしまったのでもう少し勉強してこのことは書いてみたいと思う.