棋王戦第一局

 曇り、気温はマイナス5度.少し寒さが和らぎ日中はプラス気温となるようだ.徐々に寒い日と暖かい日が繰り返されるようになるとそこに春が待っている.日が経つのはやい.

 

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 昨日は、藤井聡太竜王が渡辺棋王に挑戦する棋王戦第一局があった.リアルタイムで全てを見ていたわけではないが所々テレビで見ていた.

 先手で勝つ確率が高い藤井竜王振り飛車で先手番となった瞬間に優勢となったのかもしれない.将棋もその流れのまま徐々に先手優勢とすると最後は自陣が詰められないことを避けながらの指し手になり危なげなく勝利を飾った.渡辺棋王も特に問題は無い指し手であり、どこで自分が不利になったのか判らなったと語る通りで何となく藤井竜王が優勢になっていく戦いだった.

 つい先日のA級リーグで永瀬9段に敗れ、タイトル防衛戦が続き相当忙しい日々を送っているため疲れも出てきているのかと思ったが、やはりそれなりの実力を見せた格好である.

 既に藤井竜王も20歳になり徐々に棋風も変化しているように見える.最初の頃の終盤は負けることに恐れを知らない差し回しで相手棋士を打倒してきた.そして5冠となったのだが、その冠を防衛する戦いを行うにつれその戦う相手の棋風を吸収始めたように感じる.それは、優勢になった時、自玉を如何にして守りながら勝という戦い方であった.それは相手が百戦錬磨の手練れであり一瞬の隙を見逃さないのと不利な形勢になれば局面を難しくさせる手を差す勝負師としての怖さを持つ者たちばかりだからである.その戦いの中で自分が勝つための方策について少しずつ変化を見せているのだろうと思う.

 しかし、自分が感じる藤井竜王の強さはそういった手練れの技術を吸収した後、相手がどんな手を差そうとも動じず美しい将棋の形を極める指し手を目指しているのではないだろうかと思う.

 自分ではその究極の勝ち方が何処にあるのか判るはずがなく、極めた世界に存在するものだと思うのだが、その境地に達する藤井竜王を見てみたいものだと思う.