名人戦 藤井竜王一勝

 小雨、気温は10度.パラパラと降って今は止みそうな気配である.

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 昨日は名人戦があり、藤井竜王が渡辺名人に勝ち、まず1勝を挙げた.最年少名人の記録を更新すると騒いでいるが、余り年齢は関係ないと思う.その時の強い人が名人になるとすれば今一番強い棋士は藤井竜王ということになる.

 しかし、最近の棋戦を見ているとベテランと言われる高段者との戦いが続いているため相手の一癖も二癖もある戦いを経験して今までの思い切りの良さが出てきていないと思っている.それは今までのAIを超えるような指し手を見ている者にとって少し不満である.

 相手は、この怪物の藤井竜王に勝つため予め作戦を練り、藤井竜王が長考してもなお正着が判らないような手を差すことで勝利を収めようと考えている.それは最初コンピュータ将棋が登場し、素人が間違った手を差したことで混乱し易々と勝利を収められたときに似ている.相手が強ければ強いほど定石から外れた手は何らかの嵌め手ではないかと思わせてしまうところにある.

 そのため、それに対抗すべく読み進めるのだが、その過程で不要な指し手を考え混乱を見せているのだと思う.もし、そこで考えを混乱させれば一方的に敗戦するということを経験したからに違いない.

 この先も、手合いを重ねれば重ねるほどその相手の老獪な指し手に順化していき面白みが薄れてくるのを恐れる.将棋はやはりエンターテインメントの一部である.多くの人が興味を示さないと成り立たないものである.どこかでこそこそと行っていてはその人が強くなろうが弱くなろうが誰も知らない世界である.

 将棋というものを皆に興味を持たれるにはやはりそこに華が無ければ継続性を失ってしまうだろう.だから、藤井竜王にはエンターテインメントの要素が必要なのである.相手に勝利するにしてもやはり何か凄いとうならせる何かが必要なのであるが、弱冠20歳の彼がそれを一手に引き受けることは荷が重すぎる.やはり将棋連盟を中心として伝統芸能として技を磨くことを求めると同時に如何に興業として成功させるかに努力して欲しい.