差別の解消は別な差別を生むのか

 曇り、気温は19度.

https://imageflux.tenki.jp/large/static-images/chart/2023/06/30/03/00/00/large.jpg

日本列島を覆うかのように東西に長い前線が近付いている.北海道は前線の東の端が掛るかかからないか状態で、南にずれれば晴れだし、北寄りにずれれば雨ということになる.この状況だと週末の天気は予想できない.

 昨日、札幌で大雨になったように相変わらず大気の状態は不安定なままで前線に関わらず何時雨が降ってもおかしくない状況である.

www.yomiuri.co.jp

 色々な差別撤廃運動は、差別を解消するには有効な手段であるが、行き過ぎた行動は逆差別を生む.学問を受ける権利は誰でも平等であるべきと建前上は言えても実際、入学者数の中の人種的な割合が平等に選考したとしても偏る場合、その選考過程に差別的なものがあったと疑われてしまう.

 どんな方法で選考を人本位で選んだと主張してもデータに偏りがあると主張されれば人為的な何かがあったと疑われそれを100%証明することは不可能で、それなら先に入学者数の人種の割合を決めて選考すればその決めた範囲内で入学者がいれば問題ないと考えたのだろうが、実際、その方法で今まで行われてきたとしても結果的に人種の適正な比率はいかようにも解釈でき、どこかで非難が必ず起きる.

 アメリカで言えば、今までは黒人と白人の比率を考えれば良かったのだが、ヒスパニック系、アジア系の人口が増えるにしたがってその人種に対する配慮が必要になった時、今までと同じことをしていたなら今度は黒人が優遇される結果になってしまっている.

 差別撤廃のために良かれと思って行ってきた行動が、時代の流れと共に別な差別を生み出す.それは根強く残る人種対立が暗闇の中から蘇ることになる.その切っ掛けは、黒人の権利を黒人が声高に主張してきたことも有るのだろうと思う.一連の警官による黒人暴行事件に端を発した運動は、今でも続いており抗議行動は暴力化している.その行動は、理解者を生むと同時に過去のしがらみから憎しみを感じるものも眠りから揺り起こす結果となる.

 今アメリカで頻繁に起きている無差別殺人事件も、自分達の考えを達成するために言論ではなく暴力で解決することもできるのではないかという意識が醸成されてしまったように感じる.

 その一連の流れがトランプをアメリカ大統領に国民が選択したし、彼の差別的発言を彼の支持層は両手を挙げて喜んできたわけである.アメリカはこのまま徐々に速度を上げて暴走していくのか?それとも節度ある指導者が登場し理性的な国に戻ることができるかの瀬戸際にある.ロシアがプーチン一人のために世界に波紋を起こしたように、各国に独裁者が存在し、世界の在り方を変えようとし始めている.今まで協調という流れから分断という流れが既にできつつあり混沌とし始めている.日本は、このままで良いのかという議論は常にあるわけで、世界から見ればお気楽な国に見えているのかもしれない.