人間

 曇り、気温は21度。一日の気温は20度を下回らない夏日が続いている。先週の予報では、今週は晴ればかりだったのがいつの間にか前線の影響で雨マークが付きだした。気象予報士泣かせの天候が続いている。

 人間の体はご存知のように、2,3㎜の薄皮を被った肉と内臓の塊である。幾ら筋肉を鍛え体を防御しようとしてもある一定の力が働くとその皮を破り筋肉も破壊されてしまう。

 だからいくら格闘技に自身が有っても防御できる力には限界があるし、また悪いことに内臓も病魔に侵されればその肉体が朽ちることを抑えることはできなくなってしまう。

 結論を言うと、人間は案外自分自身が考えるよりも脆いのである。実は、案外そのことを知らずに生きている人が大半である。

 例えば、幾ら酒が強いと言っても限界がある。その酩酊した体で喧嘩をしても運動能力が低下していては簡単にやられてしまうし、思考能力が低下しているので車の運転をしても安全に運転することはできない。更に深酒は、長い時間を掛けて内臓にダメージを与える。

 そういった影響があるのにも係らず人間は無謀にも喧嘩をしたり、飲酒運転をして事故を起こす。冷静に考えればそういった危険を避ける行動が出来たはずであるが、そうはならずにそういった行動を何故かしてしまう事も多い。

 そこには、一種の自己破壊の願望が常に存在するのだと思う。自分の現状を変えるための切っ掛けが無謀な行動を引き起こすと考えて良く。それが破壊的行動を引き起こすことに成る。

 常にそういった考えを持って行動していることは無いのだけれど、それを自制するタガが外れてしまうと思わぬ行動に出ることになるのである。

 そういった行動を取るのが自分自身に危害を加えることに成った判っていてもその生まれ持って持つ人間の性を変えることはできない。だから、歴史は動いてきたのである。すべての人間がコアラのように行動しない。牧草を食う牛のように普段は大人しいが、群れを守るため、或いは自分を守るために凶暴になることがある。きっとコアラもそういった環境に成れば行動するのだろう。

 人間の行動は一見千差万別があり、予想が困難な事が多いのだが、冷静に見るとその行動は動物としての本能が支配しているのだと思う。