公務員

 昨日と同じく秋晴れに近い空である。遥か高くの空に絹雲がたなびいている。日差しは非常に暑いが、空気は乾燥している。


 引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100802-OYT1T01106.htm?from=main1

113歳女性どこへ?都内最高齢のはず…杉並
 東京都杉並区は2日、都内最高齢とされる113歳の古谷(ふるや)ふささんが所在不明になっていると発表した。


 区によると、古谷さんは1986年10月、娘(79)と一緒に千葉県内から転入した記録が残っているが、娘は「母の住民票を移した記憶がはっきりしない。母は、弟と住んでいるはず」と説明しているという。

 同区は、警視庁杉並署に届け出るとともに、弟の所在確認を進めている。同区は足立区で生存していれば111歳の男性の白骨死体が見つかったことを受け、7月30日、職員が古谷さんが住んでいるはずの木造アパートを訪問し、所在不明が判明した。

 
 
 大阪の二幼児の致死事件でも児童相談所の問題が上がったが、今の公務員の仕事のあり方を考える必要があるのだろう。

 自分は公務員では無いので内部事情の暴露ではない。

 戦後公務員制度が始まり、既に半世紀以上が経ち仕事がマニュアル化してしまったということだろう。
 公務員の仕事は、必ず書類が付まとう。法律、政令など色々な法律、規則を土台にした書類を確認し整理することが目的化している。書類さえまともであれば他の事は、見て見ぬふりをすることが多い。それは、公務員の権限と密接に関係しているため、この様な初歩的な事でも、現場に確認に行き確実に生存することの証拠を得ると法律などに書いてあれば実行しただろうが、確認をすると簡単に書かれていた場合、訪問し住民に聞き取りするだけで任務を達成してしまうし、住民からの申し出がない限り動く必要は無いと考えている場合がほとんどである。

 普通一般の感覚では、長寿のお祝いを送るときなど生存を確認するのだろうと思ってしまうが、公務員になるとその感覚がなくなる。それは、規定に何々しなさいと書かれていない場合、それ以上の事をすると仕事を増やすと考えるし、他の警察等と協力するということもハナから考えにない場合が殆んどである。
 
 また自分から積極的に行動する職員が居た場合、その行動は周囲にとって場を乱す厄介者として扱われる可能性があるためそれもしにくい環境に成る。

 必然的に、仕事が書類の管理が中心となり、そのことが代々受け継がれ今の公務員の仕事と成る。余りにも固定化しているため、ヤル気のある人は必然的にお役所から抜け出ていくことに成り、事なかれ主語の役人が多く残ることに成るのである。

 公務員個々の人達は、優秀な人も多いし、ヤル気になれば何でもと言って良いほど出来る人が多い訳で、それだけにこのような事が度々明らかになるとさみしい気持ちになる。

 公務員が、自分の仕事を超えて仕事をすることは可能だが、それが失敗した場合、マスコミ等に叩かれることは数多い、それを恐れる余り今の体制が形作られてしまったと言える。

 今回の事件を機に、公務員が他人の家庭の内情に踏み込む事になる可能性が高いが、そういった場合、公務員の身の安全などの問題も出てくるだろう。やはりそういった場合、警察との協力が不可欠なのだろう。また、知り得た個人情報の守秘義務も当然必要になるだろうし、それを厳密に守らせることが可能かも問題になるのだろう。
 
 何かやるにしても複雑な問題を抱えていると言ってよいだろう。