温暖化

 曇り、朝の気温が16度。今日の午後からまた大雨の予報である。秋雨前線が北海道まで届く様になってどのくらい経つだろうか?この気象の変化は、やはり中国の工業化と同一歩調を取っている。

 だからと言って中国に文句を言えないのは、日本も過去、工業立国の間にどれだけ大気を汚染し、汚水を海に垂れ流していたことか、それから幾年月を数えただろう。今ではすっかり空気は綺麗になり工場排水は本当に昔と比べ見違える程である。

 その時の日本と同じことが中国で起きているのだ。その時の日本人の儲けるためなら公害など気にしなかった経営者がそのまま中国でも起きている。それは日本人が辿ってきた道をまた同じように辿ってきている。

 ただ少し違うのは、日本の立地が偏西風に対して風下に有り、その風下側が海だという事である。それに対して中国は、日本の風上に有り、否応なくその汚染された空気は薄まりながらも日本に来る。更にその発するエネルギーから熱を生み、温められた空気が日本上空の大気の動きを活発化させる。それが、地球の大気循環を少しずつ変化させ、日本上空に大気の乱れを生み、日本に大雨を降らせている。丁度日本の弓なりの尾根が中国から来る大気の流れの壁になっている。

 日本の尾根は、高くても3千メートル程度の山ばかりで、どうしてそんなことが起きるかと思うが、地球を覆う空気の層はせいぜい1万メートル程度のものである。そして、雨を降らせる雲の高度は1000メートル程度なので、充分雨雲は堰き止めることができる。

 

 では、この先の気候がどうなるかと言えば、中国の発する熱量が増えれば増える程、その熱は偏西風に吹かれ日本海を渡って来る。その過程で日本海の水蒸気を集め、日本上空で雨雲を作るという構造は変わらなく、日本の温暖化は徐々に進んでいくだろう。これは世界的な温暖化とは別の局地的温暖化ともいえる。

 では、この気候の問題を日本人は解決できるのであろうか?きっと無理だろう。大気の大きな流れが変わり始めたものを急に元に戻すことはできない。それは本当に風任せになる。