晴れ、気温はマイナス2度。


 今週末は、春分の日があり、昼と夜の長さが同じとなる。それを過ぎれば夏至まで昼の長さが長くなる。今も朝の非のでは5時40分ごろと7時まで夜明けが来ない時期と比べまるで別世界の様である。

 その夜が明けない国ロシアの今回の行動は、夜が明ける土地を目指す南下政策の一つでもあるのだろう。そう考えると今回のロシアのアメリカに対する強硬姿勢も理解することができる。

 世界地図で見るとロシアは、北半球の北極圏に接する位置にあり、面積の殆どが北海道より緯度は上にある。当然冬の間は、日中の時間が短く、北極圏に近付けば近付くほど夜が明けない。

 今回のクリミア半島は、丁度北海道くらいの緯度にあるのだからロシアが如何に北にあるかが良く判る。

 もう一つ今回の出来事で感じるのは、プーチン大統領の意思の強さだろう。そこには、独裁者の考えが強くあると言える。もし、彼がスターリンのようにロシアの歴史に名を残すのなら、今のアメリカの弱体化が好機と見たと言えるだろう。

 それに比べると、オバマ大統領の力の無さが浮き彫りに成る。彼が登場した時に世界中の人が思い浮かべた理想像とは少し違うようである。

 

 アメリカ初の黒人大統領として登場した彼は、自分が何を残すかを考えた時、それはアメリカらしい自由主義だったのだと思う。しかし、時代は彼が育った時の巨大なアメリカでは無く、この先、明るさの見えない時の登場であった。

 その中で、世界に理想のアメリカをもたらすために必要なものを失いかけているともいえる。

 昔、開拓者がアメリカという国を作った時に抱いた理想は、自由の国を作るという事だった。その自由は、日本人が考える理由では無く、自分の命を守るための自由でもあった。その自由を守るためには、相手を殺すことも厭わない自由である。

 

 その流れの中で歩めたのも、アメリカ型の自由主義の中で世界の富をかき集め、それを消費できたから達成できたと言えるだろう。

 しかし、かって世界を支配してきたスペイン、イギリスが落日を迎えたように、アメリカも例外では無かった。そしてその次の座を勝ち取るために今動きだしているのが、中国とロシアだろう。

 ただその座を勝ち取るためには、中国は国内に問題を抱え、ロシアも国内が一枚岩とは言えず、チェチェンのような紛争地を抱え安寧とは言えない中での行動である。

 世界を支配するためには、両国の力は、まだ充分とは言えず、アメリカ、中国、ロシアの3か国の争いは不透明である。

 そして、その中で漁夫の利を得られるのは何処の国かという事である。もし、日本が第2次世界大戦に負けていなければ、軍事的に強力な国になっていただろうから、そこに割って入ることは可能だったろうが、今は、アメリカの友好国であり、その牙を抜かれた状態であるから、もしそうなろうとするなら事はそう簡単では無い。

 果たして、日本がこのままその流れにのまれ太平洋の中の島国の中の一つになってしまう可能性も無いことは無い。アイデンティティを失わずに島国として生き残るのか、それともどこかの国に支配されてしまうのか、そのカギは今にあるともいえる。