2025年の医療

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 今週、週刊ダイヤモンドという雑誌で「医師・看護師 大激変!!診療報酬改定が迫る医師・看護師の民族大移動」という特集が組まれていたので早速購入して読んでみた。

 内容は、大凡の予定通りの記事であった。特集と言っても、診療報酬の改定による影響の部分の記事は少なめで、医師、看護師の職業としての今後の生き方の部分の方がボリュームが多かった。

 

 自分が期待した部分の記事の内容としては、看護師の病院から訪問看護へという部分が興味深かった。2025年には、病院系の看護師が14万人余り、訪問看護が14万人不足するらしい。

 算数でいえば、14万引く14万でゼロになり需要と供給のバランスは保たれているようだが、そう簡単には事は運ばない。それは、やはり職業選択の自由というか、病院に勤めたいと思っている人間が、職が無いから訪問看護へ簡単に移動することにはならないからである。その移動には相当な時間が掛かるし、何らかの土台が無ければそれは無理というものである。

 医師の方も同じで、今回の診療報酬改定で急性期病院が減少したとしてそのまま都会にいる医師が地方の病院に移動するかと言えばそうはならない。それも、職業選択の自由の範疇に入り時間が掛かるだろう。

 しかし、2025年と言えば10年後である。将来、優秀な医師として第一線で活躍できる保証が有る医師は、自分で職場を選択できるだろうが、もし10年後に不安を覚えるならやはりそれなりの選択を迫られるだろう。

 都会の病院からあぶれた医師は、その周辺都市の病院というように移動していくだろう。その場合、条件の良い施設はそれなりに限られているわけだから、早めに行動した方がその位置を確保しやすくなる。

 また、給与の面から言えば都会より地方の方が有利であるのは間違いなく、そういった条件で適合する施設のポストは先に埋まって行くのだから、今バリバリで働いている医師が将来を考えて移動を考え始める時期であるかもしれない。

 医師不足で、医学部の定員が増え、10年後には需要と供給のバランスは崩れ医師余りの時代に突入する可能性もある。そうなれば、今の玉石混合の時代から能力に応じて選抜される時期に入ると思われ、それに合わせた医師の技量の重要性が問われる時代に成るだろう。

 医師偏在の解消に向けて、もう一つ推進させる何かが必要だろうが、それが専門医の地域定員制なのだと思う。もしそれが実現したなら加速度的に移動は増えるだろう。例えば5年後に実施するとアナウンスするだけでそれが起こると思われる。

 それに関しては、医師会などの反対を受けるだろうが、この先を考えると医師会自体も過当競争を防ぐ意味合いも考え闇雲に反対しないと思われる。

 まあ今年は、そういった意味での激変時代を迎えた最初の年と言える。