イギリス

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引用 ブルームバーグhttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-16/O8VIPI6VDKHV01) 

イングランド北部、ウェストヨークシャーで16日、英国の欧州連合(EU)残留を支持するジョー・コックス下院議員(労働党)が男に銃撃され、その後死亡した。事件が伝わると、英国内に衝撃が広がり、残留派と離脱派の両陣営とも23日に予定されている国民投票を前に、活動を停止した。

  ウェストヨークシャー警察のディー・コリンズ臨時署長はテレビ放送された記者会見で、「コックス議員は男に襲撃された。男は議員に重傷を負わせ、残念ながらこれが致命傷となった」と説明。通信社プレス・アソシエーション(PA)によれば、コックス議員は2回撃たれ、その後刺された。英国放送協会(BBC)は目撃者の話として、銃撃した男は自家製の銃を所持していたと報じた。

 このところ立て続けて起きるテロ事件によって徐々に感覚がマヒしてくる。事件の遠く離れた日本にいてそう感じるのだから現地にいる人はそれが日常だと達観しているのだろうか。

 こういった繰り返して起きることは徐々に人間にあきらめともいわない何かを抱かせる。その最たるものが政治家の金銭感覚だろう。彼らの目的は政治活動を通して日本の舵取りをすることだろうが、その前の段階である政治家になるというところで思考停止してしまっている。

 政治家になるためには、選挙に受からなければならないし、その選挙活動ために金が要る。その選挙活動を得るために不正な政治資金集めが行われ本来の政治活動に支障をきたしているという政治家の提案から税金で政治活動を賄うようにしたらそれでも足りなくなってまた不正な政治資金を貯める行いをする。彼らにとって今の目的は政治家になるためというよりも選挙に受かることが日常の目的となってしまっている。

 こういった体制が続くのなら政治家を選挙で選ぶのではなく、裁判員制度のように名簿から自動的に選び2年から4年の任期制にしても同じ結果が得られるように思える。

 話は、イギリスの話に戻るが、彼らは昔の大英帝国の栄華を覚えている人たちがまだ過半数を占める社会である。中世の頃より大陸と争い戦争もしたし世界の国々で植民地活動を競い合っていた人たちの子孫である。今回のEU離脱の思いはそういう記憶を持つ人にとって持って当然だと思う。そういった考えを持つ人がある一定数存在するのは当たり前のことだろう。

 もしアジアでEUのような経済圏ができたとき、日本がその中の一員になることを喜ばない人間は、イギリスのように一定数存在すると思う。国の歴史というのはそういうものなのだと思う。

 EUという国境がない関係を構築しようとするということは、改めて境界を設けようとする人たちを増やすことにもつながる。更にイギリスは地理的に海峡を隔て大陸と陸続きでないことがそれに輪をかけることになる。

 国境がなくなり国がなくなれば国と国の争いがなくなるわけなので戦争は起こりにくくなる。もしEUが一つになり本当に国になることになれば理想とする社会が生まれるはずである。理想的に進めばである。しかし、一つになろうとするときに問題になるのは、一つの国になる前にあった宗教であったり人種であったり祖先のルーツであったりする。いくら一つになろうとも考えを一つにすることは不可能であるといって良い。

 ここまで順調に進んでたことが、中東の混乱から生じたテロ活動や、ギリシャ危機による社会不安の増大により、人々の心に昔の良い思い出がよみがえってきているのだと思う。それが今回の切っ掛けだと思う。

 今回の事件でEU離脱派の勢いは弱まる可能性があるが、一度動き出した流れをせき止めることは不可能のように思える。果たしてイギリスはEUから離脱するのか?