参議院選挙始まる

 曇り、気温は18度.雨も小康状態で霧雨のようなものが時折顔に当たるような状態である.これで止むのではなく夕方まで断続的に雨が降る予定.

 

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 参議院選挙の告示がされて直ぐ当落予想の情報が流れ始めた.予想では自公で過半数を超えることは間違いないと報じるところが殆どで、野党の衰退が言われている.

 マスコミは選挙に対して中立の立場をとるのが普通だが、日頃、反与党の姿勢を示すところは陰から野党を何とか勝たせようと応援するのが常である.

 

 その中でニューズウィークの記事は今回の選挙の本質をついている.民主党政権が下野し民主党は解党分離を繰り返してきた.自分達がそれまでになってきた政権の柱となる思想は継承されず主義主張の異なるメンバーたちが主導権を握ろうと争ってきた.その姿は学生運動が盛んだったころ色々なセクトに別れお互いを批難していた姿に似ていなくもない.

 更に、自分達の行動を差し置いて与党を批難する姿は、自分達が将来政権与党になることを放棄し揚げ足ばかりとろうとする万年野党の役割に特化していた.まさしくふた昔前の自社対立構造と同じである.ある程度の人数が居て自分達の意見が言えるなら政権を取る必要がないと思える姿勢である.

 立憲民主党は、党首が変わり批判政党から政策提起型政党に衣替えする方針を唱えた.しかし、実際の主張の中身は、安全保障体制では明確な方針を決められず、経済政策も実際それを実施して日本の経済構造がどのように変化していくのか見通せていないものである.更に憲法改正問題も正し議論を避け憲法9条を守るとしか唱えない.そこで思考停止してしまっている.現実の世界ではウクライナでロシアの侵略戦争が起こり、北朝鮮核兵器を持つようになり、中国ロシアは日本の周辺で示威行動を繰り返す.今までのような東西冷戦が終わった後続いた平和な世の中ではなくなっているのに時代の流れに対応しようとしていない.これに関しては、自民党も一枚岩ではなく現状変更を嫌う国会議員がいるのも確かで、憲法改正論議が進まない一因にもなっている.

 

 今回の参議院選挙は、参議院の半数の議席の改選であり、この選挙の結果で自民党政権が下野する選挙ではない.野党にとっては、この先の衆議院選挙に向けた国民の審判を受ける選挙という位置づけに過ぎない.この選挙で勝利して政権交代をすると訴えるなら別だが、自分達だけではできない消費税廃止や消費税減税を訴えることだけでは有権者の心を動かすことは無い.

 

 民主主義は国民の投票が正しく行われることで成り立つものである.悪意を持った大統領グループの力によって与党の国会議員が増えること大統領を独裁者たらしめるロシアのようなことが起きないとも言えない.民主主義が正当に運営されるには国民の声がバランスよく反映された議員が選ばれることであり、100%与党議員が国会議員を占めることが無いようにしなければならないのである.そのためにもきちんとした機能を果たせるような野党が出来なければ民主主義は簡単に滅んでしまう.そういう意味で正しい野党ができる選挙で有って欲しい.