月蝕

 晴れ、気温は5度.マスク越しから吐く息で眼鏡の曇りの強度が違うので少し暖かいのが判る

昨日は、皆既月蝕と天王星の蝕がありちょっと夜空を眺めていた.月蝕は数年に1度は見ることができるためあれだが、天王星の蝕というのは珍しいことである.しかし、残念ながら肉眼では天王星を確認することができず実際に蝕があったのかはニュースの映像で確認するしかなかった.

 そして、月蝕も夜の9時ごろには雲が出始めて最後まで観察することはできなかった.月蝕は日蝕と違い月が完全に夜空から消えるのではなく赤い色の月として見える.昔の人は夜空に浮かぶ赤い月を見て何を思ったのだろうか?自分達が住む地球が宇宙に浮かぶ惑星の一つだと感じられただろうか?少なくとも月が隠れながら夜空に浮かぶのは何か月の光を遮るものが自分と月の間にあるわけで、それが地球だと判っただろうか?

 

 昔、疫病が流行った時期に夜空に浮かぶ赤い月は不吉の象徴とされていた.図らずも今の世界は新型コロナウイルスという疫病に覆われた状態である.もしかするとその昔夜空に浮かぶ赤い月を見ながら悪霊退散とお祈りしていたのかもしれない.もし、それでこの災厄が収まるのなら赤い月に向かってお祈りするのもありだったかもしれない.しかし、赤い月を見ている間はそんなことは露ほど思わなかった.

 夜空には雲や星が浮かび地球はその宇宙の一部であると感じさせてくれる.そこにあるのは人間の手が届かないし改変できないものである.そして人はそこから生まれそこに帰ることを定められた生き物である.