中国の混乱 ロシアの混乱 雨降って地固まるとなるのか

 曇り、気温は19度.

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 北海道上空には高気圧があり広く覆っている.がしかし、日本海側に低気圧があり雲が掛っている.この雲も時間と共に移動し午前中には晴れ間が広がるだろう.今の空は、低層に厚い雲が横たわりその隙間から高層にあるうろこ雲が見える状態である.低層の雲が無ければ天高くと言われる秋空なのだが、残念ながら低層の雲がお日様を遮っている状態である.

 

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 一時期、ロケット軍のクーデター計画が有ったと伝えられたこともあった中国国内の動静あったが、中国国内では汚職の摘発事件となっているようだ.この国防相が以前備品調達の責任者であり、その他も備品調達関連の軍幹部が逮捕されたとされている.

 この国防省は、習近平が任命したもので異例の出世と言われている.その他にも今回任命した外相が直ぐに退任に追い込まれており、習近平が自分の身内で固めようとしていた幹部が続けてということで中国国内何かきな臭いことが起こっていることは確かである.

 自ら任命した側近が習近平に対して反乱を起こすことは考えずらく、この報道の通り汚職等が絡んでいる可能性が高い.

 最近の習近平の動静が話題であり、強引に強行した3期目の主席の地位は安泰ではないのかもしれないが、これまでライバルと言われた人物は悉く引退に追い込み、今のところ習近平に面と向かって異を唱える人物は居ないようなので直ぐにでも政変が起きる可能性は低い.

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 同様に、大統領職にある間、油断なく身辺を固め独裁政治を進めているプーチンであるが、プリコジンの反乱とウクライナ戦争の硬直化により今後を危ぶまれていたが、今回のロ朝会談で影武者ではなく本人が金正恩と握手する姿を見せている.こちらも習近平と同様、国内に不安の種を抱えながらもプリコジン以外に反乱を企てるような人物は存在しなく、戦争の長期化で独断での命令がしやすくなり、自分の好きなように国内政治を取り仕切ることができる.そのため、数か月前よりも体勢的には強固になっているように見える.

 色々なところで書かれているが、プーチンは遅刻魔と言われ、外国の首脳と会談する時は必ず1,2時間遅刻するのが常であった.待たされる方は堪ったものではないが、それが自分を優位に見せる行動だったらしい.しかし、今回の金正恩との会談では、会場で彼を先に待っているという行動に出た.今の戦争に勝利するためには北朝鮮の武器弾薬が喉から手が出るほど必要であり、そのために自分のプライドをかなぐり捨てる行動にでたわけである.

 しかし、交渉においてロシア人の場合、交渉において嘘を付くことは正当な行為であり、後でウソがばれたとしても騙された方が悪いとされている国である.自らが優位に立つことができれば何でも許される.日本人のように交渉の際、嘘を付くのが許されないと信じており、相手を簡単に信用することは馬鹿の見本のように思われているだろう.彼らにとってロシアは大国であり、他の国は全て自分達に従うことが当たり前だと思っているのである.

 ただし、全てのロシア人がそういう気質であると類型化するのは正しくない.日本でも正当な契約と見せかけて相手を騙すことに長けた人物は多く、全ての人が正義を求める人ばかりではない.同様にロシア人の中にも正直に話す人も多いことだろう.しかし、国対国の交渉の場合、誠実に物事が進むとは限らなく真面目に向き合うと馬鹿を見る場合が多々あるということである.

 だから、今回のロ朝会談も、ロシアが今回北朝鮮にラブコールを送っていたとしてもどこかで優位な立場に立てばたちまち見下した態度を取るのは見えている.今回は、北朝鮮に友好を装って搾り取れるだけ搾り取ろうとする魂胆が透けて見える.

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 そして、ロ朝会談の後、すぐにベラルーシに赴きルカシェンコと会談を行っている.こちらも面目をつぶされた格好になったわけで、それをどのように言いつくろったかが気になるところであるが、そんな情報は当然流れてこない.

 プーチン政権の最大の危機であった、プリコジンの反乱を仲介し収めるのに協力したのはルカシェンコである.そして、この件に関してはプーチンの恩人とも言える.反乱を収めるためにプリコジンの身元引受人となったわけであるから今回の暗殺に関しては何も知らされていなければ泥を塗った行為なのだが、想像するに、ベラルーシに一端移動したワグネルがそれ程協力的ではなく、プリコジンは今後の身の振り方の拠点としてアフリカを目指していたようだ.ルカシェンコにとって今後の利用価値が消えてしまっていたので、今回の暗殺についてはプーチンからの何らかの情報が伝わっていたかもしれない.プリコジンは結局道化師の役割を担って表舞台から消えてしまった.

 更に、ワグネルは指導者を失い空中分解し、ロシア国内のプリゴジンシンパも潮を引くように消えてしまっている.プーチンにとっては、こういった出来事が起きて「雨降って地固まる」の効果があったといえる.

 当初予想していた核兵器の使用も、ロケット、ミサイルなどの武器弾薬の供給不安が解消されれば当分その使用は延期されるものと思われる.強いロシアを演出するにしても相手を完膚無きに叩き潰すことが必要である.核兵器の使用を見せびらかせつつ、ウクライナ軍の消耗を待つ作戦に打って出ており、ロシア軍の兵士の補強と武器弾薬の供給が終われば今占領している領土を守る戦いから相手のウクライナの多くの地域に圧力を掛ける戦いに変化していくことになる.

 今後、長期戦となった場合、お互いの国の中の纏まりが戦争を続けられる糧となる.ロシア国民がプーチン支持が強固になれば力の差は歴然としてくる.ウクライナもこれだけ国内で多くの犠牲者を出している状況で他国からの援助が滞れば白旗を掲げなければならない時が来る確率も高まることになる.

 ワグネルがモスクワまで侵攻し、クレムリン広場で演説を行うことが出来ていればウクライナの優勢は間違いなかったのではないかと思う.ある意味この戦争の転換点となった感じがする.