曇り時々雨、気温は6度。
一日遅れの戦評です。
日曜日はドームに駆け付けた。今日こそはスカッとする試合もしくは泥臭くても良いから勝ち試合を見ようと応援に出かけたわけである。残念ながら試合終了のホイッスルと同時にため息が出てしまった。中々勢いに乗れない所は何処にあるのかと考えて見た。
これは戦術論に成るのかもしれないが、サイド攻撃が機能していないという所が一番の問題なのだろう。サイドに攻め上がってボールを保持しても、ゴール前に飛び出してくる選手が少なくワンテンポ遅れセンタリングを上げられないため相手に囲まれてしまい攻撃がワンテンポ遅れること。更に悪いことにそこからの仕留めのパスが上手く合わない。
ゴール前にいる選手もただこぼれるのを待っているだけである。その際大枠から飛び出してくる選手が居ればいいのだが、全員ゴール前にいてボールを待っていては、相手のクリアミスを待つか運よくその間を抜けてくるのを期待して待つしかない。
攻撃のメリハリをつけるためサイド攻撃とディフェンスラインの裏へボールを切り替えて行うのだが、昨日はナザリトの動きが悪かった。得点は決めたがそれまでは自分で行かず止まってパスしたり転んだりと得点の匂いがしなかった。都倉も足を気にしてか動きに精彩を欠いた。この辺り采配で仕方がないのかもしれないが、内村を控えに回し都倉が疲れた所で交代で入れるかその逆もありだと昨日の試合では思った。どうしても同時に2人とも疲れて足が止まるので前への推進力が失われ相手に守りやすくさせてしまう。
後半、ヴェルディは札幌の足が止まったところでドリブルをどんどん仕掛けゴールに迫ってきたが相手のシュートミスに救われ得点を与えなかったが、昨日の試合は、完全に互角の戦いをしてしまった。ハッキリ言えばJ2中位力のチームの戦いであって、上位のチームの戦いを行えなかった。
果たしてこれからの巻き返しを期待できるのかそれともこのまま中位争いをしながら6位以内を目指すのかという感じになって来てしまった。ここ最近の出だしと変わらない状況を変えなければ上位進出は難しいだろう・
ク：相手の好機を防いだ守備が有ったが、得点を失った守備はインに絞り過ぎだったもう少し前に出なければいけない。結果的にノーチャンスだったが、札幌の守備が左に偏っていて左ががら空きだったからそちらを抑える必要があった。これも経験の無さなのだろうが、無得点に抑えて欲しいところだった。
櫛引：攻め上がりは良いのだが、最後の判断が拙い。上がるならゴール前まで突っ切る位の攻撃が必要。まだまだ経験が必要だが、これだけ試合に出ているのだからもっとレベルアップして欲しい。日本代表に選ばれる位の意気込みでプレーして欲しい。まだまだ纏まるには早すぎる。
稲本：センターバックに入り孤軍奮闘。相手の平本レベルは難なく抑えられるが、得点シーンは残念。もう一人同じレベルのセンターバックが欲しいと思っていることだろう。
パウロン：徐々に試合に出続けられるようになってきて、守備の要になってきている。得点シーンは戻りきれなかったのは不味かったがそれ以外では、あの守備範囲の広さはJ1レベルと言って良いだろう。怪我無くこの先も出場しなくてはいけない選手の一人である。
堀米：時折見せるパスミスが痛い。頑張ってチームの誰よりも走っているのだが、ボランチでボールロストすると相手に攻撃のチャンスを与えてしまう訳で、反省しなければいけない。誰にもボールを奪われず、相手の攻撃の芽を摘む守備を行えればオリンピックも夢では無い。まだチャンスはあるので頑張って欲しい。
宮澤：上手く守備と攻撃のリズムを作り出そうと走り回っていたが結果が出なかった。本当に使いどころの難しい選手の一人だと思う。次のステップに進むには札幌にいてはダメな選手の一人かもしれない。今のままでは、自分が決める守るといった闘争心むき出しの姿は見せないで終わってしまう。今季、そういった冷静な中にも闘志を前面に出す選手に変身して欲しい。
福森：FKは惜しかった。今の札幌で全てのキックを任されるようになったが、上のレベルに行くために札幌にレンタルされているのだから思い切り才能を伸ばして欲しい。ゴール前の上がりも見せ始め、この先伸びそうな選手である。活躍すればするほど来季は札幌にいないと思うと残念である。
内村：やはり連戦の疲れで体の切れが無かった。もう少しできると思ったが、脚が止ってしまうと何もできなくなる選手の一人になってしまった。ゴール前の飛び出しもめっきり少なくなりサイドでパスを出す人になってしまった。使い道としては、相手のマークが２TOPの二人に行く隙を突く役割なのだろうが、その動きがまだできていない。配置転換により考え過ぎてしまったのかもしれない。
都倉：昨日は、ようやく復帰したばかりで何の活躍も見せられなかった。去年の動きを取り戻すにはまだ時間が掛かるスロースターターらしい。本領を発揮するのは夏以降だと思うが、試合に出続けなければエンジンが掛からない。夏まで待つ余裕が札幌にあるのか。（無いと思う）
ナザリト：昨日のゴールを切っ掛けにエンジン全開に成らないだろうか。昨日は裏への飛び出しもスピードを欠き、ただの人状態だった。ポスト役も悉く相手選手に支配されてしまい。ゲームを作れなかった。前半の攻撃の遅滞の責任は彼にある。
ゴールを狙う潜在能力は、札幌のどの選手よりも優れているのだから、後は波に乗るのを待つしかない。替えはいない。
中原：途中から入り、走り回ったがボールロスト、パスミスが目立っただけだった。期待の若手もここにきて伸び悩み気味。伸びて欲しい選手の一人なのだが、我慢して使って伸ばすか難しいところ。不調なら他の若手を使えばと思うが、きっとこの先札幌を背負って立つ選手の一人と考えているのだろう。
二ウド：試合前練習のシュート練習ではゴールネットを揺らしていたので、ボランチというよりフォワードで使ったらと思う選手だったが、ボランチで入れた後は、目だつ活躍が出来なかった。彼も試合に出続けなければ実力を発揮できないタイプのようだ。使い方を考えなければいけないだろう。
前田：何かしてくれるという監督の思いで出てきたのだろうが、チャンスを作れずこけて終わり。天才はこのまま未完の大器で終わってしまう可能性が高くなってきた。顔も丸くなってきた所だし、そろそろ他の選手を切り札にする必要が出てきた。CMは面白いのだが、残念。
やはり札幌が上昇気流に乗る方法は、ナザリト、都倉がどれだけ調子を上げるかだけである。それが連勝を続ける唯一の方法である。監督もそれが判っているから負傷明けの都倉を無理して出したのだろう。早く得点感覚を掴んでほしいという思いなのだと思う。普通なら先発では出さない。
若手の起用も先を見た物なのだろうが、それが上手く回っていない。ベテランの技術と若手のスピードが合わさって行くことを信じての采配だろうが、まだまだ時間が掛かりそう。それを短くするには、綺麗な勝ち方では無く泥臭くても面白くなくても勝利しかない。
