対 FC東京 2-1

 晴れ、気温4度。風が少し強い。

 土曜日の試合の感想を書く。FC東京との試合、午後7時の開始だったので午後6時ころ到着するように出かけた。既に大勢の人が入場しておりバックの自由席は前の方を残して殆ど埋まっていた。そのため可動席の少し目線が低い席に座ることにした。

 この試合に負けると厳しい状況に追い込まれるのは理解していた。他の同じレベルのチームは札幌より上位に位置し、実力では札幌を上回ると思われる、広島、大宮、柏などが下にいるのだから、調子を上げてくれば直ぐに抜かれてしまう可能性が高く、もしこのまま勝ち点無しで経過すれば選手の士気もサポーターの士気も下がり続けるのは必至だと思っていたが、相手は補強もうまくいき、更に日本代表を数多く抱えるチームで簡単には勝たしてくれそうもないと判っていた。なので、上手くいけば引き分けで勝ち点を取り、なるべく士気を下げないようにだけして欲しいと考えていた。

 試合は、両者互角だった。相手の東京もそれ程圧力をかけてこず、ワントップの大久保選手にボールが集まるでもあなく、ある程度札幌の試合運びを見ながらボールを回そうという意図が見て取れた。しかし、やはり試合巧者の東京は、右サイドのギャップを突き裏に抜けだすと上手く交わされゴール前のフリーの選手のパスが渡り、それを冷静に決める。相手のシュートはソンユンの横に飛んだ両足の間をきれいに抜けていくのが見えた。

 そしてやはり東京が凄いと思わせたのはシュートのスピードの速さである。オープニングの荒野のシュートが簡単にキャッチされる速さだったが、東京の阿部のミドルは途中から浮き上がる弾丸シュートで、キーパーがキャッチ不可能なシュートを打たれるとこれは負けたと思わされた。

 一点を先制した東京は、ゲームスピードを下げて少しボール回しに入った。早い段階の先制点で、これは勝てるとふんだようだ。そこに相手の油断があったのかもしれない。相手のパスをカットしたりパスミスを拾ったりと徐々にコンサドーレの攻撃の回数が増えるが、あと一歩のところで相手のGKの好守に阻まれる。さすが日本代表である反応の速さはトップレベルである。しかし、コンサドーレも相手にゴール前で競り勝てるため頭に合わせるパスが増える。そしてとうとうジュリーニョが頭で決める。相手のマークはついていたが少しだけ高さがあった。

 試合は、1-1で折り返すこととなり俄然コンサドーレの意気が上がる。相手の東京は、格下のコンサドーレに同点とされて混乱したのかもしれない。一つ問題となるのはやはりエースの大久保主体の攻撃を作り上げていないことである。川崎にいたころは、大久保が走り込んだ先にボールが出ていたが、今の攻撃は大久保にボールが出ずに一手間を置く感じになっているためシュートが上手く打てない。何のために大久保をワントップにしているか不明な状態である。

 そこは、コンサドーレにとって幸いだった。後半、東京がウタカ選手を出してきたが、彼にパスを出す選手が不在なためゴール前を固めるコンサドーレに対してはありがたい選手交代になってくれた。

 試合は、都倉が混戦の中シュートを決めてくれて逆転した。あれも強烈なジュリーニョのシュートが相手選手の腹に直撃し倒れた室屋がオフサイドラインを下げていてくれたから。上手くいったとしか言いようがない。

 その後も、荒野やジュリーニョ、菅が抜け出すが得点を決められず、最終的に河合を入れて守備固めをしたコンサドーレが1点差のまま逃げ切りに成功した。

 MVPは都倉だったが、宮澤が出色である。彼は戦うレベルに合わせてプレーするようなところがある。相手が上手ければそれなりの動きをし、相手が格下ならそれに合わせてプレーする。それでもすごく成長していると思う。かれが居なければコンサドーレの守備はズタズタだっただろう。好守に本当に効いている選手である。今の彼なら日本代表に選ばれてもその雰囲気に合わせてたしかな技術を見せてくれるような気がする。日本代表の手倉森コーチがドームに視察に来ていたので、目に留まったとしたら良いのにと思う。

 それにしても相手の東京は、久しぶりのドームに成れていなかったかもしれない。今の選手にドーム経験者はいないはず。風が無く上には天井が覆いかぶさる会場は一種異様である。更に、室内は乾燥しているため水分補給を的確にしないと後半足にすぐ来てしまうことを知らな勝ったかもしれない。だから後半の東京の動きはアップアップだった。でもコンサドーレの選手も慣れている筈なのに足を攣る選手が多く出たのは、もう少し改善してほしいところである。

 深井が4度目の膝のケガで今季絶望で、会場は深井を前面に押し出す雰囲気を作り出していた。あれが一種の隠れたパワーになったはずである。

 次節は、ドームでこれまた優勝候補の川崎である。相手もけが人が多いようだが、コンサドーレもけが人多数なので決して有利ではない。それでも勝ちを目指して頑張ってほしい。