ワリエワ選手が見せているもの

 曇り、気温はマイナス10度.暑さ寒さも彼岸までということわざがあるが、もう少しの辛抱なのだろう.

 

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 今回のロシアは国としての参加は認められていなく、選手個々の参加という形である.それだけに今回のドーピング問題は、陰謀論で言えばロシアのIOCに対しての挑戦ということになる.

 その理由は、やはり12月の採取した検体の結果が明らかにされたのがオリンピックが始まってからというのだから何らかの企てがあると思われても仕方ないこと.更に結果が明らかになってすぐロシア反ドーピング機関(RUSADA)がオリンピック出場を許す流れ.

 今回問題となったトリメタジジンという薬は、血管拡張作用を持つ狭心症の薬である.服用すれば心筋に流れる血流量を増やすことができる.心筋に流れる血流量が増えれば心臓は強負荷に耐ええることができる.運動選手が飲めば限界を超える運動ができることになる.そういった薬を若いうちから服用し強度な運動を続ければ将来的には何らかの影響を与えるのではないかと想像する.金メダルのために将来を選択すること決断させたのは周りの影響が大きいだろう.

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 元RUSADA所長もロシアで普通に使われていたと述べている.ある意味、選手の運動能力を高めるために限界まで鍛えた体にほんの少しの能力向上する薬を与えることで同じ能力レベルを持つ他の選手を超えることができるのだから手段としては手っ取り早い.その秘密が暴露されない限りやったもの勝ちなのだからそれをする選手、組織があっても不思議ではない.

 今回の北京オリンピックでは、ドーピング検査がより高精度になったと報じられている.選手の中でドーピングをしている選手がいる前提でより検査精度を上げるという戦いが続いているわけで、スポーツマン精神とは別次元で能力を競っている状態である.

 しかし、今回ワリエワ選手が16歳未満ということで特別な事情から出場を認めるということになった.彼女の実力から言えばメダル圏内にいることは確実である.メダルを獲得すればまた彼女の資格問題が語られ騒動を起こすことは必至である.それなら、被害が少ない今の段階で出場停止させるべきだろう.

 昨日は、羽生結弦選手の会見が有り、競技前に痛み止めを打って出場したと話していた.痛みは体が限界を訴えている表れである.痛みがあるうちに体を酷使しても何の意味もない.それでも出場しなけらばならない重圧を戦う.そして、その痛みを堪えてまでも演技する姿に感動する世間がある.同じように金メダルを取ることを目的に育てられ、将来の選手寿命を短くしてまでも薬物を服用することを選択した彼女の姿を見て、勝負の世界に蠢くどす黒い暗闇の姿を私たちに垣間見せてくれているのだと思うと華やかな祭典で有れば有るほど暗闇の陰影は強い.