サケ漁

 曇り、気温は9度。昨日は雨から一日中雲の多い時間が続いた。

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 今日も北海道は低気圧が囲み不安定な状態である。そのためところにより雨となっている。

 桜の蕾も膨らんでおり後1週間以内には開く木もありそうである。

 

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 アイヌ民族の権利を裁判で争うこととなったこの件、道民の一人として大変むずかいい問題だと理解している。アイヌの歴史を考えれば先住民族として東北、北海道に暮らしており大和民族とは違う歴史、文化を持っていた。その後、大和民族が勢力を拡大し徐々に東北のアイヌ文化は消滅し、最後まで残ったのは海を隔てた北海道だけとなった。その後、北海道を除く日本は、徳川家により統一され、北海道の松前江戸幕府の支配が及ぶ範囲となったわけである。江戸時代はまだ北海道は日本人にとって未開の土地であり、アイヌ民族と交易により交流していた時代が続いたが、明治時代になり徐々に日本が繁栄し始めると北海道に一攫千金を目指す者が入り始め金をはじめ色々な資源を求めて入植者が増え始め町や村ができ始めて状況が変わってしまった。目地政府は、北海道に開拓使と呼ばれる入植者を送り込みアイヌ人が住む土地を開拓し始めたと同時に同化政策を進めてきて今がある。その後アイヌ人が集団で暮らす地はなくなりアイヌ人は日本人の一部として過ごしてきたわけである。

 このアイヌ人の民族として尊重しなければならないという転機が2007年に訪れる、それは国際連合において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されたことによる。日本において先住民族としてアイヌ民族が認められその権利を日本政府も認めなければならなくなったからである。そのための施策が色々取られ白老にウポポイという施設も作られた。

 そして、アイヌ民族の伝統を継承するためにその役割を担うのがアイヌの人たちになったためにその伝統を残すための一つとして今回のサケ漁を認めろという訴えとなっている。儀式としてのサケ漁は一部認められているが、サケ漁を自由に行うことは認められておらず水産資源保護法という法律で禁止されている状態である。

 アイヌ民族の権利を最大限認めることは必要なのだが、それが拡大すると日本国内に大きな問題となる可能性がある。その可能性が民族の権利を認めるというよりは制限する方向に行ってしまっていることは否めない。また北海道の土地自体も元々はアイヌ民族が暮らしてた土地に入植者が入り込み開拓していった歴史がある。その中でアイヌ人は自分達が住む土地を有耶無耶に放棄してしまった歴史があるため、その時に遡って権利を主張するとなると大きな民族間の対立を生む可能性も出てくる。丁度ユダヤ人が歴史を遡ってイスラエルに入植する権利を訴えて国を作ったようなものである。アイヌ民族が組織化して大きな集団となることは、既に日本人と同化した現在ではあり得ないことだと思うが、その民族性を明らかにすればするほど考えは先鋭化してしまう可能性はいつまでものこることになる。

 今回はサケ漁に限定した訴えであるが、日本にとっては大きな問題にしたくない訴えである。差別といえば日本には部落問題があり、そこに長年利権というものが付き待っとっていた。差別をなくすために作られた色々な法律が却って差別を助長したり逆に対立や利権を生んでいたからである。

 北海道に先住民として暮らしていたアイヌの人達が伝統や文化を築いていたことは尊重すべきことである。ある意味強制的に同化されてきたといって良い。その過程で道内では純粋なアイヌとして暮らしている人は少なく北海道民の一人として扱われ生活して今に至っている。今となってはその伝統文化を伝承していくことは困難なことになっているのが現状で国がそれを補助していかなければならない。