対セレッソ大阪

 晴れ、気温は9度。朝方は冷え込みが厳しかったが、日の出とともに気温はみるみる上昇している。


 土曜日のドームの試合、もうすでに2日経ってしまったがそのことを書く。

 セレッソ大阪との試合、その試合の前にコンサドーレOBの試合が有るということで、一般入場の10時30分前にはドームに着くように家を出た。家を出るころには小雨がパラツキながらもそれほどひどくは無かったのだが、ドームの入り口に向かいながらも今回はいつもよりも人は少ないと感じていたのだが、ところがどっこいそんなはずはなく、待機列は、屋根のある通路を抜けて外に150M程続いていた。

 その並んだころには、丁度、雨風が強くなり傘を持った人の布がはぎ飛ばされるほどになる。15分から20分程度並んだ後に漸く入場ゲートにたどり着く。屋根付きの通路は空いているのにも関わらず雨が降る所に並ばせるのは少し検討が必要。

 待機列に並んだ人から、アルバイトと思しき青年に並び方の注意をしていたが、明らかにバイトの学生に文句を言うのも言われたほうが可哀想。株式会社コンサドーレに苦情を入れるべき。

 それにしても毎回、2万に程度の観客を入場させるのに待機列の問題は一向に改善しない。本来なら、入場ゲートを多数確保して入場者を裁くべきなのだが、コンサドーレの場合、一般入場者の入場口は2か所しか基本的に設けない。それ以外は、会員用の入場口の2か所だけである。

 今回、OB戦があり10時から開場ということで、入場者がばらけたのでまだ良かったが、会場11時などという時間なら試合開始に間に合わない恐れもある。36号線側の並びは、何か良い方法を早急に見つけるべきだろう。

 話は、試合のことから少し離れてしまったが、自分はOB戦の前半の早い時間に席に就けたので大部分の試合は見ることができた。やはり、OBの懐かしい姿を見るのはうれしいものである。特にバルデスコンサドーレの英雄でありながらチームを離れた後は、とんとご無沙汰で、ネットで消息をたどるしかなかった。更にぺレイラも同様にコンサドーレの事に関与することは無く、コンサドーレで活躍した外国人選手の関係の希薄さが残念でならない。

 それでも、お二方とも元気な姿でプレーしてくれ、その姿を見れて本当に良かったと思う。後、田淵さん(彼はスカパーの試合、特に徳島戦でよく解説を担当している)、後藤義一さん、深川さん、佐藤洋平さん、相川さんなど普段見かけないOBが大挙押し寄せて20周年の節目を楽しませてくれた。

 現在の環境は色々違えども、昔、監督だったフェルナンデスさんが言っていた「ファミリー」という言葉がよくわかる。このファミリーというつながりが、現在、未来のコンサドーレを作ってくれる。現役の選手や関係者は気づきにくいかもしれないが、そのつながりを無くしては、未来は存在しない。こういったつながりをもっと大事にすべきだろうと思う。それは今までのHFCに足りなかった部分だと思う。

 そして本当のホームゲームは1時過ぎに開始となった。

 試合は、お互い先制点を許さない戦いをしてきた。相手のセレッソは、前の外国人2人が守備を行わないため柿谷が守備とのバランスをとる役割に徹していた。そのため攻撃に華麗に絡むシーンはこの試合では殆どなかったといってよい。

 その攻撃でセレッソで目立っていたのは右サイドの松田である。タイミング良い飛び出しと鋭いミドルシュートを打った時は、相手ながらちゅもく選手の一人となった。

 対する札幌は、前半の攻めはハッキリ言って良くは無かった。それは、相手の攻撃に中盤が下がることが多く、それにつられ前線も下げざる負えず、攻撃がセレッソの裏狙いの縦パスが主体となてしまったからである。ようやく調子を上げてきた都倉にボールが届いても既に相手守備陣の数が足りているためシュートにつながらない。この辺りの作戦は織り込み済みだったのかもしれないが、余程能力が無ければ、あの守備人数が足りた中で得点を奪う可能性は低かった。

 前半0-0で折り返し、後半開始。セレッソに見られたのは、運動量の低下である。特に前での動き出しが止まったおかげで、札幌の守備陣が徐々に相手を前目でとらえることができ、ボールカットできるようになってきた。そうなると相手のほうが前に圧力を掛けたときにラインの後方にボールを出すことで守備の人数が不足し始めた。そして観衆の大声援もありコンサドーレの選手が生き生きとしだす。

 後半も徐々に残り時間が少なくなり、このまま引き分けかと思われた頃、少し傷んだ深井に変わり稲本が投入される。そしてそれが、劇的な勝利につながる。

 セレッソが攻撃の選手を投入しチームが前係になった時、稲本が自陣で相手のボールをカットする。それを前にいる都倉に渡し、それがジュリーニョに、そしてサイドを勢いよく駆け上がる内村に渡り並走する稲本にラストパス。そのボールを懸命に右足を伸ばしながらシュートを打つとGKの脇をすり抜けサイドネットに突き刺さるゴールとなる。

 ドームの中は、2万人を超える観客が上げる歓喜の声で一杯となる。

 その後、きっちりゲームを終わらせ、無敗だったセレッソに初黒星を与える。そして順位は勝ち点3差の3位に浮上。ゲームの無いチームもあり暫定ながら上位の位置につけることができた。

 この時期の順位は一過性であることが多く、1敗すれば瞬く間に順位が入れ替わるため、それほど重要ではないのだが、やはりこの時期の勝利で勢いを付けることができれば終盤につなげることができる。

 今後、夏場を迎える時期の選手の疲労、ケガにより順位も入れ替わる可能性は高く、ぬか喜びは禁物。今、上位にいるセレッソもこの先の選手の入れ替わりもありそうな感じであるし、暫定首位の町田や、今季町田と同じくJ2に昇格してきた山口も選手の疲労やケガでチーム能力が落ちる時期が必ず来る。コンサドーレも同じで代わりに出る選手の能力をいかに高めておくかが一年を通しての課題となるだろう。


 この一勝が、どの様な価値を生むかまだまだ判断はできないが、シーズンが終わる時に語られる勝利の一つとなる可能性がある。